福島清隆 さん
こんにちは。
キャッシュフローコーチ &
リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「財務健全化」です。
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会社を絶対につぶさないための
「財務健全化」
節税対策は save moneyか?
lose moneyか?
公認会計士 秋吉博文
梓書院 \1500 + 税
「社長! その節税対策、
いますぐやめないと会社つぶれます!
会社を伸ばすには、節税よりも納税!」
1000社以上の中小企業を救ってきた
公認会計士が語る「節税対策の本当の話」
銀行員・中小企業経営者必読!
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秋吉博文
1962年 大分県玖珠町生まれ
1985年 同志社大学商学部卒業
1991年 公認会計士登録
1992年 秋吉公認会計士事務所創立
1993年 福岡県中小企業家同友会入会
1999年 福岡青年会議所入会
2009年 九州中小企業支援ファンド投資委員
2017年 (一社)福岡県中小企業家同友会
副代表理事
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秋吉氏の経歴は上記の通りです。
私自身も所属している、中小企業家同友会の
福博支部で度々、お会いする方です。
福岡市天神の一等地のビルに事務所を構える方です
から、さぞ優秀でお堅い方かと・・・・・
「優秀」は間違いない方ですが、口の悪い私は、
「秋吉さんは、本業がマラソンランナーで、副業で
モデルもやってて、趣味が会計士ですねぇ~。
スゴイ人は 違うは!」と軽口を叩いています。
その彼が、「本を出した」とのこと。
早速、アマゾンで購入しました。
タイトルからして、財務関係のノウハウ本かと思い
きや、なんと「小説」でした。
今度から秋吉さんに会った時は
「本業が小説家&マラソンランナーで副業でモデル
もやってて、趣味が会計士ですねぇ~。その才能
をちょっとでいいから私にも分けてよ!」
と言うことにしてます (笑)
さて、「小説」をアモリ通信でとり上げるのは初め
てです。
サマリーにするのもかなりハードルが高そうで厳し
そうです。
要は、
① 「会社を潰さないためには節税より納税」
② 経営セーフティ共済
http://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/index.html
③ 事業承継税制
(贈与税・相続税の納税猶予及び免税制度)
について
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.htm
上記3点が大きな主旨かと私は捉えました。
それに加え主人公の会社が「節税対策したケース」
と「節税対策しなかったケース」を11年間に渡っ
て「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフ
ロー計算書」が最後に「付録」として示されてい
ます。
きちんと理論的に実証されてあり流石です。
それでは、今回は小説のもくじと主な登場人物と
私が面白いと感じた部分の一部を転載します。
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[推薦の言葉] 中村高明
はじめに
第1章 会社の病気は、見えないところで徐々に
進行する
第2章 「経営危機」という名の余命宣言
第3章 経営危機からの脱出~財務コンサルタント
というカンフル剤
第4章 「病気」は再発する
第5章 健全な事業には健全な人と利益が宿る
あとがき
主な登場者
滝田伸一 タキタ工務店社長
坂上 同社経理担当者
浦元 坂上の先輩で不動産会社浦元企画の社長
足立 財務コンサルタント
林・小柳 不動産業の社長と女性専務
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浦元と滝田の会話
浦元 「お前、いくらくらい稼いでる」
「お堅いのもいいけどさ、結局そういう真面
目さって、会社のためにならないぜ」
滝田 「えっ、どういう意味ですか」
浦元 「会社ってさ思ってたより、多めに利益が出
ることがあるだろう。そうすると税金をが
っぽり持って行かれるんだよ。税金をまと
もに払ってる奴は馬鹿だ。たとえば今日の
飲み代も交際費で、落とすけど、その分、
税金は引かれなくて済むんだぜ。それくら
い知ってるよな?」
(中略)
浦元 「まず、お前、さっき自分の給料50万円っ
言っただろう。これを上げるんだよ。利益が
出ている会社は社長の給料を上げていいんだ
よ。そして、交際費。人脈を広げ、少々遊び
もできなきゃ社長の器が大きくならないぞ。
平日のゴルフは料金が安いし、混んでないと
きにプレイできるのは社長の特権だからな。
社長業は苦労ばっかりだから、それくらいし
てもばちは当たらないよ。あ、それから、奥
さんを役員に登記しとけ。そうすれば、立派
に会社の役員だから給料をもらってもいいし
家族で食事に行ったって、会議費だし、家族
旅行でも研修旅行ということになるんだ。
何でも経費で落とせるんだ。それと節税対策
の上手な保険屋を紹介しよう。税金対策には
保険が一番だ。それでも利益が出るんなら、
中古の外車を買うといいぞ」
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(その後、浦元企画から1000万円の焦げ付きが
発生。浦元社長とは連絡がつかず、タキタ工務
店は資金ショートで倒産の危機に見舞われる。
そんな時、知人経営者から紹介された、財務コン
サルタント、足立のアドバイスの一部)
滝田 「税金を払った方が会社に利益が残る。それ
は今の話で分かったような気がしますが、
でも、やはり、税金を払った方が会社のた
めに良いというのはおかしくはありません
か」
足立 「まだ納得いかないようですね。分かりまし
た。では別の説明をしましょう」
「仮に給料が10万円の人がいたとします。
この人は税金がゼロなので手取りは10万
円全額です。
給料が100万円の人は税金が20万円で
手取りは80万円。給料1千万円の人は税
金が300万円で手取りが700万円です
この3つのタイプの中で、滝田さんは自分
ならどれがいいと思いますか?」
滝田 「それはもちろん、同じ仕事なら手取りが一
番多いのを選びますね。誰だってそうする
でしょう」
足立 「はい。でも、払う税金が一番多いのは給料
1千万円の人ですよね。個人でいう手取り
は、会社でいうと税引き後の当期純利益に
あたります」
滝田 「確かに、おっしゃる通りだ。でも私の会社
は、たくさん税金を払うほどもうかってい
ませんし、サラリーマンの給料と会社の税
金とは違うでしょう。そもそも、会社に利
益を残さないといけないと言われますが、
多額の税金を払ってまで会社に利益を残す
必要性はあるんでしょうか? 無理に利益
を残さなくても、役員報酬を含め、従業員
に充分な給料を払い、交際費や旅行などの
経費を払い、それで上手くやっていければ
問題ないでしょう。
事業をやっていて、みんなで楽しいことも
しないと息が詰まってしまいませんか?」
足立 「経営者の一番の責任は、どんなに厳しい経
営環境でも、会社の継続と発展を守ってい
くことにあります。会社が潰れてしまった
ら、社長自身・ご家族・従業員とそのご家
族・取引先・お金を貸した銀行など、全て
の人を不幸にしてしまいます。
会社の継続と発展のためには利益が必要で
す。利益のない会社は、ちょっとしたこと
で、あっという間に潰れていきます」
(足立のアドバイスに納得したした滝田は、倒産を
回避する最後の手段として、足立から「倒産防止
共済」の掛け金があることを指摘され、ここから
1000万円借りれることで倒産を免れることが
できた。
② 経営セーフティ共済
http://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/index.html
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(それから数年後、あるクラブで、羽振りのいい不
動産会社の社長(60代)と女性専務、お店のママ
との会話)
ママ 「私も若い頃、お店を1軒潰したことがある
から、どれだけ大変だったか分かりますよ」
小柳 「でもそれは滝田さんのせいではありません
よ。悪いのはその先輩でしょう? 焦げ付
きがなければ、滝田さんの会社はすべて順
調に行ってた訳ですから」
林 「全くだ。私もクライアントに逃げられたこ
とは何度かあるが、その度に大変な思いを
した。だからって、金遣いをケチることは
しないな」
小柳 「そもそも、コンサルタントの言うことなん
て、本当に正しいのかどうか分かりません
よ。あの人達はそれが商売ですから、万人
に合うようなアドバイスをするでしょうけ
ど、建築とか不動産とか、滝田さんの内装
業界とかは繋がっていて、独特のルールを
持って成り立っていますからね」
林 「その通り。その先輩も、まぁろくな男では
なさそうだが、ひとつだけまともなことを
言ってますよ。『経費は使ってナンボ』と
いうのは真実です。税金にたっぷりとられ
るくらいなら、いろんなところで使って世
の中を潤した方がいい。国税庁を潤すか、
庶民同士で互いに潤っていくか、この二者
択一なら答えは決まっているでしょう」
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(その後、4年ぶりくらいに経理担当の坂上ととも
に財務コンサルタントの足立を訪ねた。会社も順調
に伸び、安定してきたところでもあり、先日の不動
産会社の社長のアドバイスもあり、多くの税金を払
うより、色々な経費を使った方がいいような感覚が
蘇っていた・・・正に「病気は再発する」である)
足立 「果たして、お金をばらまかれた側は、本当
に還元されたと思っているでしょうか?
全ての経費が本当にそこから先へと循環し
ていってるいるのでしょうか?。それが納
税よりも有効な社会への還元だと、誰に分
かるのでしょう?
いずれにしても、財務を健全化し、良い会
社になっていくためには、正しく納税して
利益を留保しなくてはいけません。これは
5年前にお伝えした通りで、これからも変
わらない私からのアドバイスです。でも、
会社のトップである社長が違う判断をする
のであれば、大変残念ですが、私にはそれ
を止めることはできません」
坂上 「私からも、言わせていただいても宜しいで
しょうか。
私は会社に入り、社長からの仕事を任され
るようになり、役職もつけていただいて、
昨年結婚しました。今年の末には子どもが
生まれる予定です。」 (中略)
「ただ、これからのことは正直言って不安で
す。生活ではなく、仕事のことが不安なん
です。来年は受注増を見込んで従業員が2
名増えます。工事用のトラックも増やさな
ければなりません。」
「それは分かっています。そういった前向き
な投資はどんどんやるべきだと思いますが
節税対策で無駄なお金を使うのは、はっき
り言って会社の命を削っているのと同じだ
と思うんです。実は5年前、足立先生のと
ころへ相談に来る前は、もう会社を辞めさ
せてもらおうと思っていました。
毎月の資金繰りに追われるような状態で、
仕事をしたくなかったんです。足立先生の
アドバイスで、会社も僕もその状態から抜
け出すことができましたが、今はまた前の
状態に戻ろうとしているように感じます。
これでは同じことのくり返しです。
僕もまた進退を考えなくてはいけません」
滝田 「坂上君・・・」滝田は唖然とした。
(その後も、坂上や足立の言葉に諭され、滝田は我
に返ったようです。
「私は、お金以上に大切なものを失うところでした
。今後は会社のため、従業員のために、謙虚に経営
の勉強をし直したいと思います」
滝田は経営の勉強を熱心に行っている経営者団体を
紹介され、そこでは、経営理念・将来ビジョンそし
て経営計画書のつくり方を教えてくれるということ
を知った)
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更に数年後、滝田工務店は順調に発展し、滝田は
息子への事業承継を考えるようになった。
しかし、その時、会社に利益が蓄積されているこ
とで、事業承継にあたって相当な相続税が発生す
る事を知る。
滝田は、また数年ぶりに足立の元を訪ね、こんな
ことになるなら、やはり財務健全化などせずに、
損益トントンにしていればなんの問題もなかった
のではないか。こんな結果が待ってるなんて、あ
まりにひどい。どうして最初に言ってくれなかっ
たんですかと、噛みついてしまう。
この辺の経緯は、本書でご確認ください。
結論としては足立は既述した下記のシステムを
滝田に紹介しています。
③ 事業承継税制
(贈与税・相続税の納税猶予及び免税制度)
について
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.htm
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日本には現在380数万社の企業があることを
私は定年後に初めて知りました。
同時に、大企業と定義される企業数は1.1万社
であることも知りました。
企業数で言えば、日本の企業の99.7%は中小零細
企業であることを知りました。
サラリーマ時代、自分はどちらかというと中小企業
に勤務していると信じていました(会社の体質から
すれば間違いなくそうでしたが・・・)
結果的に、少なくとも定義的には自分は大企業に
所属していた人間であったことを定年後に自覚しま
した。
現在、個人事業主として諸々の団体や組織に関与し、
色々な方々とのお付き合いを楽しんでいます。
そこには明らかにサラリーマン時代とは異なる、
経営者とのお付き合いがあります。
現在、企業の中で最下層にいる個人事業主の私は、
節税によって、確定申告でこんなに還付金が戻って
くるのかということを知るレベルです。
まぁ~、そんな戯言で今回のテーマを汚してはいけ
ません。
秋吉氏が、以前から税金をきちんと払った方が会社
は発展するのだと説いていたことが本書を読んでよ
く分かりました。
ある税理士さんは、利益は保険で会社外に蓄積して
万が一に備え、無駄な法人税など払うべきではない
。仕事をまじめにし、従業員も雇用しているのだか
ら、立派に社会貢献も果たしているではないか。
中小零細企業にはカネがない。もし万一、想定外で
大地震他で事業継続が一時的に困難になった時、
直ぐに倒産してしまう。それを避けるためにも、
無駄な法人税など払わずに、(保険で)カネを会社
の外に蓄積しておくべきである。
利益が出ても意図的に赤字にしておくべきである。
会社にカネがなければ日常的に無駄なカネを使うこ
ともない。
と、指導されている方もいます。節税の為に、カネ
を使えなどと言ってる訳ではありません。
所得税はきちんと払うのです。
また、コンサルティングも事業としているある著名
な経営者は、銀行から常に借り入れをして資金の状
態をよくし、万一の想定外の出費に備えるべきであ
る。これで社員も安心し、同時に銀行や顧客からの
信用力も増す。自分が指導している企業はこの考え
方で大きく成長している。
上記の税理士より、多少大きめの中小企業を対象に
説いているような気がします。
いろいろな考え方があるものです。
秋吉氏の著書も含め、いずれの場合も共通して言え
ることは、「無駄なカネは使うな」ということでい
いのではないか私はと思います。
企業規模や経営者の考え方に合わせて、どういうや
り方を選択するか、人それぞれといったところかと
思います。
福島さんは節税で会社を発展させる考え方と
税金をしっかり払った方が会社は発展するのだとい
う本書の考え方、あるいは保険を使って、利益が出
ても常に赤字にする考え方、常に銀行から借り入れ
をして社内の資金を豊富にしておく考え方。
どのような考え方に納得されるでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
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