福島清隆 さん
こんにちは。
キャッシュフローコーチ &
リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「 AI『無脳論』」です。
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AIが人間を情報化する新たな「脳化社会」
を生き抜く処方箋とは
養老孟司 (解剖学者)
文藝春秋 三月特別号
P150~P157
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あの「バカの壁」の著者「養老孟司」の論説が
文藝春秋にありました。
理科系の話題は苦手な私ですが、AIについては
関心を持ち続けたいので、本記事の要旨を抜き出し
てみます。
その前に、「バカの壁」についてwikipediaから
一部抜粋します。
『バカの壁』(バカのかべ)は、東京大学名誉教授
・養老孟司の著書。新潮新書編集部の口述筆記によ
る著作である。
2003年(平成15年)4月10日、新潮新書(新潮社)
より刊行された。
400万部を超えるベストセラーとなり、同年の新語
・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞。同年
4月に創刊されたばかりの新潮新書は、同書のヒッ
トによりブランドイメージを定着させた。
2006年8月時点での発行部数は419万部。出版科学
研究所調べで黒柳徹子の『窓ぎわのトットちゃん』
、J・K・ローリング(松岡佑子訳)の『ハリー・
ポッターと賢者の石』、乙武洋匡の『五体不満足』
に次ぎ、戦後日本の歴代ベストセラー4位である。
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さて、今回のテーマに入ります。
気になった部分の一部を転載します。
〇最近「AIが人間を超える」とさかんに言われる
ようになりました。しかし、そうした議論には、
バカらしくて与しません。
〇そもそも、人間はコンピューターやAIと勝負す
る必要はありません。
たとえば、百メートル走をオートバイと競う人
がいるでしょうか。
同様に、計算に特化したAIと人間が計算で争っ
たところで、AIが勝つに決まってるんですから
〇また、AIが生物のようになる可能性はありませ
ん。もちろん、コンピューターの世界の中でな
ら既に実現しているし可能ですが、物質の世界
で分子から組み立てていくことはできません。
なぜなら、人工的に作れた細胞はないからです
〇さらに言うと、脳の観点から見れば、人間とAI
は全くの別物です。ゼロとイチの二進法のアル
ゴリズムで動くAIが、人間の脳を本質的に超え
るということはないでしょう。
チンパンジーとの違い
〇人間とは「意識=理性」によって、「同じ」と
いう概念を獲得した生き物です。
それによって「等価交換」ができるようになり
言葉やお金、民主主義を生み出しました。
〇反対に、動物は「同一である」ということが理
解できません。「感覚所与=現実、事実」に依
拠しているため、「同じ」とは対立する「差異
」によって、物事の判断を行っています。
〇たとえば、”同じ”コップがここに2個あると
します。
しかし、別々のものとして、違う場所にあるわ
けですから、動物にとっては、それは”違う”
コップです。
それを人間が”同じ”と認識するのは、脳が
「意識=理性」によって判断しているからです
〇しかし、実は生物学的に見ると、人間とチンパ
ンジーの遺伝子は98%同じです。
ではどこで両者の知能は分かれていくのか。
(以下要約)
・面白い研究がある
・ある研究者が、自分の子どもと同じ頃に誕生した
チンパンジーを探してきて、一緒に兄弟として育
てた
・3歳くらいまではチンパンジーのほうが遥かに発
育がよく、利口だが、4、5歳になるとヒトは
どんどん発育が進むがチンパンジーは停滞した
・その頃にヒトとチンパンジーを分ける何かがある
・この分け隔てるものを認知科学では「心の理論」
と名付けている
・これは簡単な実験で確かめることができる
・3歳児と5歳児に舞台を見せる
・舞台にAとBの2つの箱を置いておく
・そこにお姉ちゃんがやってきて、Aに人形を入れ
箱に蓋をしていなくなる
・次にお母さんがやってきて、Aに入ってる人形を
Bに移して、蓋をして、舞台からいなくなる
・次にお姉ちゃんが再登場し、このとき2人の子
どもに「お姉ちゃんはどちらの箱を開ける?」
と質問する
・すると3歳児はいま人形がどちらに入っている
かを知っているから「Bを開ける」と答える
3歳児にとっては、現在の自分の知識が総てであ
り、お姉ちゃんの頭の中がどうなっているかは考
えないのです。
・しかし、5歳児だと、「お姉ちゃんは、お母さん
が人形をBに移したことを見ていなかったから、
元のAに入ったままだと思っているだろう」とい
うことで「Aを開ける」と正解するのです
〇人間は成長するにつれて、「同じ」と言う概念を
獲得し、相手の立場に立つことができるようにな
るというわけです。
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本人が「ノイズ」に (割愛)
・現代社会における「本人」は「ノイズ」である
・(役所で)目の前に自分がいても(事務員が私を
知っていても)、身分証明書がないと本人とし
て認められない。
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人間の悪いクセ
〇本来なら、遺伝子のことや生き物の事も完全にわ
かっていないのに、遺伝子操作などで人体をいじ
くらないほうがいいのですが、できることをやっ
てしまうというのが人間の悪いクセです。
〇脳化社会の弊害に対処しようとしたとき、一つの
ヒントになりえるのが、動物が持っている”差異
”に対する感覚を人間も見直すことです。
〇実は、一部の子どもは”同じ”という概念を理解
できないケースがあります。
(以下要約)
・わたしたちは「3a - a = 2a」は当然だと考えてい
る
・しかし、「3a - a = 3」と書く子どもがいる。
彼らにとっては、「aを引くから3」である
・他にも「2x = 6]と「x = 3」が同じということが
理解できない
・というよりこの原理が気に食わない
・「xは数字じゃなくて文字だ。3は数字だから、数
字と文字を一緒にしていいの?」という理屈であ
る
・しかも、彼らは、自分たちのこの感覚が「どこが
問題なの?」と悪びれることがない。
・こちらもわけがわからなくなって、
「君の言ってることは国語としては正しいけど、
算数としては間違っている」というようなアベコ
ベなことになってしまう。
・ましてや、「a = b」にいたっては、彼らは
「とんでもない。それなら明日からbはいらない
でしょ」と怒り出す。
・これは冗談ではなく、多くの人にとって当たり前
のことに”引っかかる”子どもが現実にいる。
「わかる」ことの落とし穴
(以下要約)
・「AI VS 教科書が読めない子どもたち」の著者
新井紀子さんが中学高校の生徒の基礎的読解力
を調査した。
・結果は、生徒たちの多くは論理性が欠如してお
り、中学校の教科書レベルの文章を正確に理解
できていないという衝撃的なものだった。
・新井さんはAIが進歩したときに人間はAIに置き
換わってしまうという危機感を述べている。
・しかし、一方で私が感じたのは、読解力がある
生徒ほど、「わかりすぎてしまう」ことの落と
し穴もあるのではないかということ。
・東大などの国公立大学に進学する生徒は読解力
がある。ただ、その帰結として空気を読み
「忖度する」官僚の不祥事のような負の遺産が
あるとも考えられる。
・世の中には理屈のないもの、感覚的なものは存
在するのですから、「a = b」が理解できない
子どもたちの抵抗感、つまり、”差異”を大切
にする感覚を日常生活において持ち続けること
は非常に大切なこと。
〇数学が最も普遍的な意識的行為の追求、つまり
「同じ」の追求だとすれば、対極にあるのが、
「違い」を追求する芸術です。
〇テクノロジーやAIの発展を止めることはできま
せん。戦前の軍隊と同じように、一度、お金と
労力を投資してシステム化してしまうと、慣性
が大きくなってしまい後戻りはできないからで
す。
〇だからこそ、世界には「同一性」と「差異」が
併存していることを知ってほしいと思います。
それが、AIが生み出す新たな脳化社会への処方
箋になるかもしれません。
それでも、もし、AIやコンピューターが邪魔に
なったら、人間がコンセントを抜いてしまえば
いいのです。
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◎世界には「同一性」と「差異」が 併存してい
ることを知ってほしい
◎もし、AIやコンピューターが邪魔になったら、
人間がコンセントを抜いてしまえばいいのです
最後のこの2つに私はすごく納得しました(苦笑)
「3a - a」は?
これは数学ですか、国語ですか?
数学なら答えは 2a です。
国語なら答えは 3 です。
今回のメルマガに出会っていなければ、通常なら
私は「2a」と答えていたでしょうが、今後は悩ん
でしまいそうです。
( マチガイナク ヤヤコシイ ジイサン ニ ナリソウ デス ) (大汗)
遠い将来???、認知症のテストを受けるような
ことがあった時、もしかしたら、上記の問題で
答えは「3」と書きそうな気がしなくもないです
やばいかなぁ~ (マジ)
「3aからaを引くんだから3に決まってる」
さて、これで介護認定「5」か???
ちょっと不謹慎ですかね?
またまた脱線して違う話になりそうです (苦笑)
とにかく 、『世界には「同一性」と「差異」が
併存していること』を念頭に置いておこうと思
います。
福島さんは「3a - a」は今も将来も答え
は「2a」であると言い切れるでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
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