【アモリ通信226:経済学の2つの大罪】  20190828

福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「経済学の2つの大罪」です。
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 経済学が引き起こした2つの大罪
 三橋貴明
 月間三橋 PRESENTS  緊急特別講座
 経営科学出版 \4080E --> \550
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三橋貴明という人物をどうみるかはおいといて。
(昨年、カミさん相手に傷害事件を起こして、すぐ
に取り下げられ、無罪放免になっています。
そのせいか、マスコミへの露出は減ってるように思
います。)
あまり付き合いたいとは思いたくない人物なのです
が、しかし、この人は「誰に学ぶ」という私の基本
的な感覚からすれば「学ぶべき人のひとり」に加え
ておこうと、そう感じてます。
そうはいえ、今回もちょっと難しくて上手く纏めら
れそうにありません。彼の話はじっくり学ばないと
私の脳ミソでは難易度が高い (涙)
何はともあれ、少し中途半端になるかもしれません
が、今回は上記の著書を部分的にサマリーします。

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第1章
デフレから脱却できない理由は「経済学」にあり
第2章
グローバリズムの過ちを繰り返さないために
第3章
お金の真相を知って、経済・文明の退化を食い止め
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第1章
デフレから脱却できない理由は「経済学」にあり
・経済学が根本から間違えているために、一部の人
 達だけが得をするような政策ばかりが行なわれて
 人類が貧困化するという状況になっている。
・経済学というのは、経済人=経済合理性のみを追
 求する人間の活動、つまり経済合理性で説明でき
 るもの以外に興味がありません。
 例えば、恋することとか、絵画を愛でることとか
 子供を愛することとか、あるいは国家の安全保障
 のために尽くします、とかそういう価値観を一切
 考慮しない人たち、経済合理性以外は興味がない
 人たちを前提にしています。
・フリードリヒ・リスト(1789-1846)の皮肉
「ブタを育てる人間は生産的であるが、子供を育て
 る人間は非生産的である」
 つまり、ブタを育てる人というのは、育てて売買
 して儲けるという経済合理性の概念に基づいてい
 るから生産的でいい、だけど、子供を育てている
 人は、育てて儲けていないから生産的じゃない、
 だからだめなんだねと、こういう皮肉を言ってい
 るわけです。
〇 経済学を採用すると起こる2つのデメリット
・ひとつは、絶対に現実を説明できないような経済
 学に、政治家が影響を受けてしまうこと。
 政治家は経済を経済学者に聞いてしまう。経済学
 者は自分の学問に基づいて説明する。政治家は、
 経済学がありえないことを前提にしているという
 ことを知らないから、ついつい経済学者の言うこ
 とを鵜呑みにして、間違った判断に流されてしま
 う。
・もうひとつは、経済学自体があり得ない前提で成
 立している学問だということを認識した上で自分
 の政治的な目標を達成するために、この学問を活
 用する連中というのが本当にいるのです。
 例えば、規制緩和を積極的に進める政治家です。
               (以下略)
(要約すると・・・)
・医療サービスで「その医療サービスを受けたら助
 かります、受けなかったら死にます」となったら
 誰でも受けるでしょう。薬や水道やガスでも同じ
  自由競争にしたら、価格がどこまでも上がって
 しまう。消費者側に選択肢がない。別の選択肢が
 ないから。
・そこで規制しようとなるが、規制は自分のビジネ
 スにとって邪魔だと思う人たちには経済学という
 のはまことに都合がいい学問です。
 何しろ根底が、自由に競争するということで効用
 が最大化される、という仮定に立っているから。
・それが、いわゆるグローバリストです。
 グローバリストが経済学を利用しているのですが
 根底から間違っているにもかかわらず、これに政
 治家が影響を受けてしまっている。利用するとい
 うより悪用する人たちがいることで、人類は苦し
 められてきているのです。

〇 諸悪の根源「セイの法則」
「生産物は、必ず何らかの生産物と交換される、
物々交換を前提にしている。
 物々交換の世界では、生産物は「交換目的」で
生産される。逆に、交換目的がなければ、生産され
ない。生産された生産物には、必ず交換される生産
物が存在する」
・生産物、皆さんが働いて生産しているモノやサー
 ビスは、必ず何らかの別の生産物と交換される。
 つまりセイの法則というのは、物々交換の世界が
 前提なんですね。

〇 貨幣の登場、そして「アダムの罪」
実際、歴史上、物々交換がメインの社会が成立した
ケースはありません。少なくとも発見されていない
 しかし、経済学の前提は基本、物々交換です。
この人が罪なんです。アダムの罪。
アダムスミスが「国富論」で貨幣について書いてい
る。  

「肉屋は彼の店に彼自身が消費しうる以上の肉をも
 ち、酒屋とパン屋はどちらもその一部を購買した
 いと思っている。ところが、彼らはそれぞれの職
 業のことなる生産物以外には交換にさしだすべき
 ものをもっておらず、肉屋のほうはすでに、彼が
 さしあたって必要とするパンとビールをすべて持
 ち合わせている。このばあいには、彼らのあいだ
 で交換が行われることはありえない。」
      (アダム・スミス国富論より引用)
       (中略)
 すべての国で、ついに人々はこの用途のために、
 抵抗の余地のない諸理由によって、他のすべての
 商品に勝るものとして金属を選ぶことに決めたよ
 うに思われる (同)
 なぜかというと、金属は腐敗しないから。
 それがお金として流通し始め、硬貨となった。
「貨幣が総ての文明国で普遍的な商業用具ーー
 アダム・スミスは商業用具と呼んでいますーー
 となったのはこのようにしてであり、この用具の
 媒介によって、あらゆる種類の品物が売買され、
 相互に交換されているのである (同)」
 物々交換をしたいのだが、お互いのニーズがマッ
 チしないケースがしょっちゅうある。だから硬貨
 、お金というものが生まれた、というのがアダム
 ・スミスの貨幣論です。
 しかしそれは完全に間違いです。これが「アダム
 の罪」なんですね。
 アダム・スミスはお金について、交換用商品ある
 いは商業用具と呼んでいる。
 つまり、モノという認識に立っている。確かに
 アダム・スミスの貨幣論だとお金はモノですよね
  最初は塩とか砂糖とかだったけれど、そのうち
 金属になった。最後は金属の円盤になった。それ
 はモノじゃないですか。
 日本でも、お金を「モノである」と認識している
 人が多いのではないですか。そういう方に対して
 ひとつだけ質問したいのです。
 では「銀行預金って何?」と。
 とりあえず、「セイの法則」と「アダム・スミス
 の貨幣論」を組み合わせると、変な経済になるん
 ですよ。
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(私見)
ここまで要旨を抜き出してみたつもりですが、ざっ
くりとでもご理解いただけたでしょうか。
本書は全体で80P程度のものですが、ここまでで、
20P弱です。
全体を分かり易くまとめるにはかなりハードルが
高いので、以下は「手抜きして」最後の方を記載
します  (汗;;;)

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〇 お金の真相を知ることは、人類の文明の退化
  をも食い止めることになる。
今回のテーマは、経済学が引き起こした2つの大罪
1つ目は、経済学がデフレ対策を困難にしているこ
と。
2つ目は、グローバルと関連して、規制緩和が自己
利益を求める者たち、レントシーカーに活用されて
国内の格差が広がっていること。
そして、どんなにお金を発行したところで、モノや
サービスの購入が増えなければ物価は上がらないと
いう大前提を加えれば、実は3つの大罪があること
になります。
つまり、「経済学の間違い」は、虎の子の国民経済
の供給能力さえも毀損(きそん)していくというこ
とです。   (中略)
経済学が引き起こしている究極の大罪というのは、
人類の文明の歩みを止め、退化をもたらすのでは
ないかと思います。
 例えば西陣織がなくなってしまったら、それは
文明の退化ではありませんか。手の込んだ伝統的な
和装はお値段も張ります。そのような文化を理解し
高くても買おうとする客がいなくなると、だんだん
作らなくなりますね。今、西陣織は技術が消えよう
としています。でも余裕のあるお金がなかったら買
えないですよ。デフレでお金がないから、中国製品
の3万円ぐらいの和服とかを買ってしまうのです

『デフレが続いていくと生産能力が消えていき、
みんなが貧困化して文明が退化して、最終的には
未開状態に戻ってしまうのではないか』
そのプロセスを促進しているとすれば、経済学は罪
深い学問ですね。
でも恐ろしいことに、この経済学がいまでものさば
っているのです。
だんだんメッキが剥がれてきているのは確かですが
まだまだのさばっています。
多くの政治家や官僚が「経済学の間違い」の影響を
受けている状況にあります。
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『デフレが続いていくと生産能力が消えていき、
みんなが貧困化して文明が退化して、最終的には
未開状態に戻ってしまうのではないか』
少し大げさ過ぎないか。
そう思うのですが、西陣織がなくなって3万円の中
国製の和装を買うとなると、なるほどそういう方向
に向かっているには違いない、と危惧しました。
しかし・・・・・
どうなんでしょうね。
インフレで物価がどんどん上がり続けても困るし、
デフレが定着しても、科学技術によるイノベーショ
ンは進むでしょうし。

ある高名な国際エコノミストが説く
「戦争と革命がインフレを呼び、平和と安定がデフ
レを呼ぶ。21世紀は世界全体での大きな戦争はなく
なる。従って、21世紀のかなりの期間はデフレで
あり、新たな科学技術で世界は発展する」
そういう理論と一致するのかどうか。
三橋貴明氏には、洞察力の鋭さ、言動の激しさを感
じます。もちろん、それが彼の個性であり持ち味で
あろうかと思います。
その反面、どこかなんとなく片寄っているような
印象も受けます。
学者・評論家もいろいろです。

福島さんは「経済学が引き起こした2つの
大罪」について納得されたでしょうか。
まだまだ説明が不十分だったでしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

福島さんの幸運な日々を祈念します。

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