福島清隆 さん
こんにちは。
キャッシュフローコーチ &
リスクマネージャーの福島清隆です。
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新型コロナウイルスで世の中が大変な状況にある
現在。
アモリ通信を通常通り水曜日午前11時3分に自動
配信していいものか躊躇する気持ちがありますが
これまで通り、継続させていただきます。
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本日のテーマは「歴史の失敗学」です。
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歴史の失敗学 賀来耕三
25人の英雄に学ぶ教訓
日経BP 1600円 + 税
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今年のNHKの大河ドラマは「明智光秀」ですね。
昨年の「いだてん」は視聴率的には、随分苦戦した
ようですが、個人的にはやはり「戦国モノ」が面白
いです (笑)
明智光秀は謎の部分が少なくない人物です。
従来の「裏切者」のイメージとは違った、戦国なら
ではの生き様が描かれることでしょう。
それを、長谷川博己が演じるところにも、好スター
トをきった理由があると私は思います。
さて、今回の著書。内容が深く中々端的に纏めるの
は難しいのですが、ここぞと思う人物の一部を、抜
き出してみます。
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その前に、記載されている人物は下記の25名です。
黒田官兵衛、石田光成、真田幸村、太田道灌、
上杉謙信、織田信長、源義経、豊臣秀吉、明智光秀、
尼子経久、武田信玄、長宗我部元親、今川義元、
柴田勝家、河井継之助、佐久間信盛、豊臣秀頼、
徳川慶喜、千利休、西郷隆盛、徳川家康、立花宗茂、
石川丈山、曹操、韓信
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◎ 本音を漏らしたための大失敗
すべてうまくいくはずだった黒田官兵衛
・正直者の長所と短所
なぜ、彼の策略は可能であったのだろうか。
その理由を素直に考えれば、なによりもこの一代
の策士は、その心根において、存外、正直者であ
った、との意外な結論が出てくる。
無欲で無私、心映えの涼やか(スズヤカ)な人物
であったからこそ、官兵衛の案出する策略は、多
くの人々に支持され、生き生きと実践されたとい
えるのではあるまいか。
つまり、他人のものを奪って、己を肥大化させる
という、乱世での生々しい俗物的なエネルギーが
官兵衛には本来、欠落していた、と考えた方が納
得しやすい。
だが、そうした性格は当然のことながら、長所と
短所の双方を持った。
・秀吉が官兵衛の謀才を恐れ、徐々に彼を帷幄(い
あく)から遠ざけたからである。
あの「おめでとうござる」が余計だったのだ。
あの時、秀吉は「亡き主君信長を想って、手放し
で泣いていた。
だが、秀吉は泣きながらも、起死回生の策を考え
ていたのだ。
そこへ官兵衛に、己の図星を指されてしまった。
凍りつくような恐怖、官兵衛の謀才を思ったなら
ば、どうしてこのようなできすぎる男を、身近に
置くことができようか。
・もし、秀吉が官兵衛の正直者の謀才を受け入れる
器量をもっていたならば、この節義を通す参謀は
おそらくその後、豊臣家を守り抜いたに相違ない
ともに、残念なことであった。できすぎる参謀
や部下をもつときは、全部を委ねるか、使い捨て
を最初から覚悟するか、このあたりが重大な要点
であるようだ。
◎ 才能より信頼
後世に名を残すしかなかった真田幸村
・戦国時代の末期、大坂の陣に彗星のごとく現れ、
天下人である徳川家康を敵にまわし、冬の陣では
完膚なきまでに攻城方を叩きつぶして、夏の陣で
は、家康の生命を狙い、あと一歩と迫った部将に
真田幸村(正しくは、信繁)がいる。
・実績の必要性
関ケ原で天下を取った関東=家康と、名目のみの
主人となってしまった大坂=豊臣秀頼(秀吉の子
)は、改めて手切れとなり、合戦に及ぶであろう
そうなれば大坂方は私(父:昌幸)を招き、
徳川の大軍を二度破った実績から、総指揮官にも
据え、その下知に従うであろう。
しかしながら、と昌幸はいった。お前ではそれ
が、叶うまい。妙案はいくらでもあるものだ。
要はそれを用いる人物への信頼の高さが、その
作戦の採否を決める、とも。
・もしも幸村が、徳川方の誘いを受けていれば、と
思わなくもない。
その人生を死をもって考えれば、確かに失敗であ
った。だが、後世に豊臣家に殉じた悲劇の名将と
して、己れの名を残さんがための演出であった、
とすれば、一概に失敗とは決めつけられまい。
なにしろ幸村は、死してのち、歴世の知将とし
て、日本人の心に刻まれつづけているのだから。
◎ 切れすぎるリーダーの悲劇
閃きが理解されなかった上杉謙信
・筆者の見解は「戦国最強の戦術家は、おそらく
上杉謙信であった」というものである。
・説得する術を持たず
彼にとっては、至極当たり前の道理であったろう。
しかし、集結した諸将は謙信の発言が、単なる推
論に思えてならない。もしかして・・・万一・・
を思うと、とてもこれ以上の進撃などできない
相談であった。
・十歩も二十歩も先のわかる謙信であるのに、家臣
たちにはせいぜい数歩先のことですら予測し得な
いのである。
加えて、謙信の悲劇は、徹底した説明責任を果た
せなかったことにある、というべきか。
わかりやすい言葉で、具体的に説明をすれば、人
々はつき従ったかもしれないが、この天才は閃き
重視であり、それを一つ一つわからせる、という
説得技術を持ち合わせていなかった。その根気も
なかったろう。
・もし、謙信に部下を説得する技術と根気があれば
天下を取れたかもしれないものを、と筆者は残念
でならない。
◎ 身内の敵に気付かなかったミス
浅井長政は中立と読んだ織田信長
・人間は誰しも、順調にものごとが運ぶと、つい、
有頂天になってしまうものだ。どれほど慎重な人
間でも、かならず心に隙が生じ、慢心して失敗に
いたる可能性が芽生える。
・永禄十一年(1568)九月七日、十五代将軍候補の
足利義昭を奉じて、上洛の途についた織田信長が
まさにこの好例であった。
・(中略)
ここまでくると、信長でなくとも慢心してしまう
に違いない。堺・大津・草津に代官を置くことも
将軍義昭に認めさせ、彼の”天下布武”はもう事
実上、成ったような錯覚を信長が抱いたとしても
彼だけを責めることはできまい。
・(信長の失敗)
信長は己れを知り、敵=朝倉義景を知りつくして
いると自負していたが、どうやら味方のなかの潜
在敵対勢力=浅井長政ーーより正確には、長政の
父・久政の影響力ーーに、配慮が足らなかったよ
うだ。悔やんでも、憤ってみても、どうしようも
ない局面であった。
・信長はどうしたか。長政の裏切りが明白になると
彼は神業のような迅速さで、戦線を離脱した。
少数の親衛隊がつき従ったのみで、いわば連合軍
そのものを、敦賀に置き去りにして逃げたといっ
ていい。明白な敵前逃亡であった。
・(逆境からの脱出)
戦国時代、名誉に生きる部将にとって、”卑怯者
”や”臆病者”と呼ばれるほど、屈辱的なものは
なかったろう。将士は人々に笑われぬためにも、
戦場では勇み、潔く、卑怯な振る舞いはせずに、
平素から言動を慎んで、”武辺道”に心がけた。
もし、侮辱されれば相手を斬り、自らも死を選
ぶのが武士の作法とされた時代だ。
それを知らない信長ではなかったろうが、彼は
知りながらも、部下や友軍を置き去りにして、
早々と逃走の挙に出たのである。
・人間は窮して悩み、苦しみ、困窮のどん底にまで
落ちると、そこに”変化”を見出すものだという
変化を認識できれば、必ず通ずる道=再生の方
法がある、と『易経』は説いていた。
・信長は逆境の日々にあって、ついに突破口の各個
撃破を見出したのだ。
彼の”天下布武”は、あと一歩のところまで到達
したが、もしも、金ケ崎で逃走を決断しなければ
信長の命運はあの時点で、終わっていたであろう
・人間が失敗に直面したとき、その出処進退の采配
は難しい。その実例をこそ、歴史の世界に学ぶべ
きであろう。
◎ 絶好のチャンスも先がなくては生かせない
”天下布武”には到底及ばなかった明智光秀
・もし、光秀が”主殺し”をしなければ、その後の
日本はどうなっていたか。
・信長に期待する現代人の中には、朝鮮出兵から明
国を討ち平らげ、全アジアを支配して、スペイン
の無敵艦隊とインド洋上に戦う信長の雄姿を、想
像する向きもあるようだ。
・そうした夢が膨らむ分、光秀の行動を憎む人は少
なくない。だが、どうであろう。
もしも、光秀がそもそも織田家に仕官していなけ
れば、信長は”天下布武”の一歩手前まで、戦国
武将として躍進することができたであろうか。
筆者はおそらく、無理であったろう、と推測する
・明智光秀はその専門職ーー足利義昭と信長の通訳
兼礼儀作法の仲介者ーーとして、まずは織田家で
認められていた可能性が高い。
・通史では素通りされ易いところだが、光秀の華麗
な織田家への転身は、今風にいえばまさしく、
通訳を主務とした外交的知識、礼法の手腕などに
その根源が求められた。
加えて、光秀は行政官をつとめても、合戦の指揮
を執らせても、抜群の手腕を持っていた。
天正三年(1575)六月からは、丹波攻略の主将に
選ばれて戦線へ。 同七月には…(以下略)
・彼は信長に、絶大な信頼を寄せられていたのだ。
対室町幕府の外交担当者としての能力、行政官と
しての名奉行ぶり、そして武将として最前線に立
ちうる力量。
・当初、光秀は室町言葉と信長の尾張弁を聞き分け
意志の疎通をはかったはずである。
語学堪能なうえに、室町の礼儀作法にも通じてい
た。彼は田舎者揃いの織田家中において、尊敬の
的となり、新参・中途採用にもかかわらず重きを
なすにいたる。
・(中略) 問題は、外交と合戦に秀でた己れの立
場から、客観的に主君信長の言動を改めてみた時
光秀にはそれがどのように映ったか、であった。
自由奔放な信長の気性とも合わず、生真面目な光
秀は、主君に対する批判を心底に持ち、それを積
もらせて、ついに謀反に踏みきってしまったよう
に、思われてならない。
---引き金となったのは、疲れであったろう。
・”本能寺の変”には常に、黒幕説というのがつき
まとう。やれ、信長に追放された将軍義昭が背後
にいた、とか、朝廷こそが光秀を使嗾(しそう)
(けしかける)をしたのだ、とか、宣教師だ、
秀吉、家康だ、だと喧しい(かまびすしい)
・筆者はそれらすべての黒幕説を、長年否定してき
た。なぜならば、光秀に事前工作の跡がなかった
からである。
・(中略:彼の人脈・兵力・軍略の有能さの記載)
しかしながら、彼には語学や礼法の世界にはない
情報ーーすなわち、時代の趨勢、勢いといった、
”生”のものをわがものとする術には思いいたら
なかったようだ。
極限に達していた心身の疲労困憊(こんぱい)が
それを阻んだのであろう。ここに、光秀生涯最大
の失敗があった。
・”中国大返し”を行い、畿内へ駆け戻ってきた秀
吉の軍勢と、光秀は山崎に戦い、一敗地に塗れて
最後は落武者狩りの農民の手によって、その生涯
は閉じられてしまった。光秀の享年は不詳である
黒田官兵衛、真田幸村、上杉謙信、織田信長そして
明智光秀の5人の武将だけ選んでみました。
歴史にタラレバは無意味ですが、
「秀吉に官兵衛を使いこなす器量があったら、豊臣
家は安泰で、徳川幕府はなかったのかも・・・」
「だが、後世に豊臣家に殉じた悲劇の名将として、
己れの名を残さんがための演出であった、とすれば
一概に失敗とは決めつけられまい。
なにしろ幸村は、死してのち、歴世の知将として、
日本人の心に刻まれつづけているのだから」
「上杉謙信に”部下を説得する技術と根気があれば
天下を取れたかもしれないものを”」
なるほど!
「織田信長が”もしも、金ケ崎で逃走を決断しなけ
れば、信長の命運はあの時点で、終わっていたで
あろう”」
そういう説を初めて知った。
確かに、失敗した時の出処進退の判断は難しい。
そして、
「明智光秀の謀反をーーーーー
しかしながら、彼には語学や礼法の世界にはない
情報ーーすなわち、時代の趨勢、勢いといった、
”生”のものをわがものとする術には思いいたら
なかったようだ。
極限に達していた心身の疲労困憊(こんぱい)が
それを阻んだのであろう。ここに、光秀生涯最大
の失敗があった。
ちょっとこれはどうしたものか。
高名な歴史家の見解に茶々を入れれるほどの見識を
自分が持ち合わせているなどとは露ほども思いませ
んが、ちょっと簡単に結論づけているように感じま
した。
「極限に達していた心身の疲労困憊」
何故かこの部分は、理解はしても納得にまで至らな
い気持ちが私にはあります。
福島さんは、今回の5名の武将の中では、誰
に一番関心がおありでしょうか。
また、最後の私の疑問をどう思われるでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
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