福島清隆 さん
こんにちは。
SILアカデミー 1on1 オンライン顧問 福島塾
塾長の福島清隆です。
本日のテーマは「不屈の路程:宗次德二」です。
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不屈の路程
宗次德二
お客様に命を捧ぐ
壱番屋創業者
NIKKEI BUSINESS 2020.03.30
2020.04.06
2020.04.13
2020.04.20
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壱番屋創業者:宗次德二といっても、誰のことかわ
からない人でも、「カレーハウスCoCo壱番屋」と
いうのを知ってる人は少なくないと思います。
宗次德二氏は、あのカレーハウスCoCo壱番のオーナ
ー経営者(だった)人です。
数年前、宗次氏の講演を聴く機会がありました。
いつも感じる通り、コンサルタントや講演家の理路
整然とした話より、実績を残した経営者の実話の方
が常に面白く感じる私です。
同氏が、最初だったか最後だったか忘れましたが、
「皆さんはこんな昼間に、仕事もせずに私なんかの
話を聴きに来て、会社では一体、どういう方なんで
すか・・・」のような発言をさりげなくしていたこ
とが非常に印象的でした。
表現は違いますが、「稲盛和夫」が若き日に「本田
宗一郎」の講演を宿泊込みで、あるホテルで聞いて
いた時「高い金かけて、人の話を聴きにくるバカが
どこにいる。さっさと会社に帰って仕事をしなさい
」と、一喝されたのと意味は同じように感じました
日経ビジネスで宗次德二氏のシリーズがありました
ので、今回は印象的なところをいくつか抜粋するこ
とにしました。
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SERIES No.1
「教科書はお客様」で世界一のカレーチェーンに
*「カレーハウスCoCo壱番屋」(以下ココイチ)は
2013年に、世界最大のカレー専門チェーンとして、
ギネス記録に認定されました。店舗は現在、日本
をはじめ、世界12カ国を合わせて約1500店に広が
りました。国内のカレー専門店の中でも、壱番屋
の次はいずれも数十店規模ですから、群を抜くナ
ンバーワンといえるでしょう。
* パイオニアの有利な点は、奇策に頼らなくても
正攻法の「王道」を愚直に貫いていければ勝ち残
れるという点ではないでしょうか。
* 名古屋で喫茶店をやっていたころの話
従業員が平気で私語をしたり、客席で昼食をとっ
たり、常連客と話し込んでいて、他のお客様に
目が届かない。テーブルや調味料には汚れが目立
つ。こうした点を改善して、「居心地がいい」
「家族や友人を連れてまた来たい」と感じてもら
える店を作れば、十分競争できると思いました。
* 毎日およそ1000通のはがきを、会社の誰よりも先
に、私が目を通します。この作業に3時間半かか
る。それだけの時間を捻出するために、早朝に
仕事を一通り片付けておく必要がありました。
はがきを家に持ち帰って読むことも多く、内容に
我慢できない時は、名古屋周辺の24時間営業の
店に夜中でも車を飛ばして行って様子を確かめる
こともしばしばでした。
* 2002年に53歳で代表取締役会長を辞めるまでの
15年間、はがきは1日も欠かさずに読み続けまし
た。会社を去る最後の日も、社員に見送られなが
ら、1000通のはがきを持ち帰りました。それを
すべて読み終えた時、やっと「経営者としての
仕事を果たした」と思うことができて万歳三唱
をして床に就いたのを覚えています。
* 独立前に働いていた大和ハウス工業の同僚で、
私の一目惚れでした。妻がいなければ、ココイ
チの成功はないし、そもそも接客業に挑戦しよ
うとは思わなかった。以前「8割は君のおかげだ
」と伝えたら「9割の間違いでしょ」と訂正され
たので、それから、9割は彼女の力ということに
しています(笑)
* 夫婦で手塩にかけて育てた会社ではありますが
私は経営者やオーナーとして君臨するつもりは
全くありません。「なんでそんなにサッパリと
会社から離れられたんですか」とよく尋ねられ
ますがね。必死で働き続けて経営者としてやり
切ったし、信頼できる後継者も育った。その他
に執着することなんてありませんよ。(談)
SERIES No.2
ハードワークは社長の「特権」
* 経営者として働いた28年間、私は仕事漬けの
日々を送りました。睡眠時間は4時間ほど。
床に就くのは深夜ですが、24時間営業の店では
その時間も働いている従業員がいますから、
「お先に」と心でつぶやいてから布団に入る。
もちろん朝は眠いですよ。でも社長ですから
それくらいは経営の厳しさと比較したら何でも
ないことです。
* 誤解を恐れずに言えば、経営者は「夢」を追っ
てはいけません。
世の中には大きな夢を語る社長が多く、むしろ
それができない経営者はダメだという風潮すら
あります。しかし、こういう人ほど、実体が追
い付かずに、経営者の自己満足で終わってしま
うケースが多い。企業のトップが追いかけるべ
きなのは、大げさな夢ではなく、具体的な目標
です。私はわずかずつでいいから前年よりも売
上と利益を伸ばすことを目指し、達成してきま
した。
* こんな毎日を送ってきたので、私には交友関係
を広げるための休日のゴルフや夜のお付き合い
などに割く時間は一切ありませんでした。28年
の経営者生活で、友人は1人もつくらなかった
「仕事一辺倒では寂しくないですか」と言われ
ることもありますが、私に”遊人”が増えたら
誰かの役に立って、喜んで貰う機会が減ってし
まう。
日々たくさんのお客様が来てくださって、そ
れをお迎えする多くの従業員もいますから、友
人がいなくても寂しくなんかありません。そう
やってこつこと努力して目の前の目標を追いか
けているうちに、振り返ったら「夢」のような
成長が手に入っていた。それが私の経営者人生
です。 (談)
SERIES No.3
「800勝2敗」を実現した仕組み
* ココイチが成長できた理由は、特別な味でも、
素晴らしい立地でも、破格の安さでもありませ
ん。お客様の要望に真摯に耳を傾け、真心をこ
めてもてなすことに最もこだわった。突き詰め
れば、この1点に集約されます。
* 多くの飲食店は、集客策として値引きなどのキ
ャンペーンを実施するものですが、私はやりま
せんでした。値段をいくら下げたところで、お
客様の満足度は思ったほど高まらず、効果も
持続しないからです。
代わりに私が徹底させたのは「掃除」です。
ココイチでは、店内は言うに及ばず、市街地の
店なら向こう三軒分の20~30m分、郊外の店なら
周囲200mほどの範囲のごみ拾いや草取りをルー
ルにしていました。
* ココイチのFCオーナーになるにはまず、社員と
して働き、心構えや店舗運営の基礎を身に付け
てもらいます。技量に応じた、9等から1等ま
での等級制も設けました。独立資格を得るには
3等級以上が必要で、最低2年、平均で4~5年(
当時)はかかります。不器用でも頑張る人は見
放しませんから、10年かけて独立して繁盛店を
作ったオーナーもいます。今のココイチの大半
の店は、このブルームシステムから巣立った
FC店なのです、(談)
SERIES No.4
「日本一の事業承継」はなぜできた?
* 目指したのは「継栄」
* 元気な50代に、なぜそんなにあっさりと引退で
きたのか良く尋ねられますが、社長業をやり尽
くした思いと、何より、私より優秀な後継者が
育ったからです。
02年に社長を任せた浜島俊哉君(19年から取
締役会長)は、19歳で1号店にアルバイトとし
て入ってきました。頭角を現したのは21歳で、
4番目の尾西起店の店長を任せたときです。
(中略:いろいろと努力が結局、閉店した過去
苦労話)
* 本気で頑張ってきた失敗は糧になります。閉店
の1年後に、初の家族向け大型店舗の店長を任
せると、見事に軌道に乗せ、その後の成長の礎
になった。能力だけでなく、仕事にかける情熱
や人間的な器などを考え合わせて、経営者とし
て私を上回っている。そう思えたので、バトン
を渡しました。
* どうやって後継者を育てたのかよく尋ねられま
す。しかし、私は彼らを育てたつもりはありま
せん。私の背中を見ながら、彼らが育ったんで
す。
* 私たち夫婦はお客様と従業員のために会社の
先頭に立って必死で働いてきました。日本のど
の経営者よりも早く起きて働き、毎日店を見に
行って現場主義で物事を判断し、コツコツと努
力して毎年少しずつ増収増益を重ねて会社を大
きくしました。私たちの後ろを一緒に走ってき
たら、気づけば創業者をいろいろな意味で超え
る経営者が育っていた、ということでしょう。
* 毎日、食うや食わずの極貧生活から何とか抜け
出した15歳の時、ラジオから流れるメンデルス
ゾーンの「バイオリン協奏曲ホ短調作品64」を
聴いて、クラッシクのとりこになりました。
* 07年には、音楽家の活動の場をつくるために、
28億円の私財を投じて、名古屋でクラッシック
専用の「宗次ホール」を開業し、年間400回近
いコンサートを開いてきました。
* 振り返れば本当に幸せな経営者人生です。
お客様に喜んでほしい。頑張る人を支えたい。
その一心でここまで歩いてきました。執着する
ものは他にありません。残りの資産は私が最期
を迎えたら、すべて各方面に寄付します。支援
先のリストも既に用意しあって、妻も賛成して
くれています。
* これからも未来をつくる若い人たちを応援する
ために頑張ります。壱番屋時代には毎朝4時10分
に起きて働いていましたが、今はさらに磨きが
かかって3時55分に起床しています。
「サーゴーゴー」ってなもんですよ (談)
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なんという余裕というか、達観しているというか
『誤解を恐れずに言えば、経営者は「夢」を追っ
てはいけません。 (中略)
しかし、こういう人ほど、実体が追い付かずに
経営者の自己満足で終わってしまうケースが多
い。企業のトップが追いかけるべきなのは、大
げさな夢ではなく、具体的な目標です。』
『こんな毎日を送ってきたので、私には交友関係
を広げるための休日のゴルフや夜のお付き合い
などに割く時間は一切ありませんでした。
28年の経営者生活で、友人は1人もつくらなか
った』
『代わりに私が徹底させたのは「掃除」です。』
『本気で頑張ってきた失敗は糧になります。』
『私は彼らを育てたつもりはありません。私の
背中を見ながら、彼らが育ったんです。』
他にもピンとくる言葉に溢れています。
誰かの理論を分り易く説明するだけの経営コンサ
ルタントや講演家では、永遠にこういう人には敵
わない、と、私は自分に言い聞かせています。
イツカ カナラズ ジブン モ コウイウ ジンブツ ニ ナロウ
ト 妄想 ダケハ シッカリ 維持 シテ オコウ
福島さんは、ココイチの創業者:宗次德二氏
を御存知だったでしょうか。
また、こういうタイプの人物であることを知ってお
られたでしょうか。
こういう人物の生き様をどのように思われるでしょ
うか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
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