【アモリ通信272:それぞれの『解』】  20200722


福島清隆 さん


こんにちは。


SILアカデミー 1on1 オンライン顧問 福島塾
塾長の福島清隆です。

本日のテーマは「それぞれの『解』」です。

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今日は5月24日です。
このメルマガが配信されるのは7月22日。
変化の激しい現代。
緊急事態宣言は北海道と関東の中心部を除いて解除
されました。
しかし、気の早いことで、秋には第2波が来ると
喧伝されています。
コロナ禍はどうなっていることでしょう。


日経トップリーダー
  コロナショック それぞれの「解」

     2020.5  P14~P31

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◎ アイリスオーヤマ  大山健太郎会長

  効率一辺倒の経営を改めよ

・普通の会社は2割、3割くらいの出荷増には対応
 できても、5割増し、6割増しの注文は、工場が
 パンクしてすぐに出荷できません。
 でも、アイリスオーヤマは大丈夫です。それは
 余裕があるからです。
・なぜ余裕があるのか。アイリスオーヤマでは、
 あらゆる設備の稼働率を7割以下にとどめていま
 す。注文が増えて7割を超えるようになったら、
 工場を増床するか新たに建てる。もちろん、
 普段はただの空きスペースです。けれど、何か
 あったときにそこで一気に増産できる。
 瞬発力が違うのです。
・3月末には、宮城県の角田工場でマスクを月
 6000万枚生産することを発表しました。それも
 「稼働率7割」が利いたのですが。

  大山会長のコロナショックと向き合う3ヵ条

1 個人消費の3割ダウンを覚悟する
2 ピンチはチャンス、一気に攻める
3 「稼働率7割」を貫き、余裕を持つ

◎ 堀塲製作所 堀塲 厚 会長兼グループCEO

    経営者は有事こそしたたかさを持て

・出費を最小化する
・危機は自社の肥満体質を変えるチャンスと捉えて
 動く
・コロナ危機から真っ先に立ち上ってくるのは中国
 になるでしょう。その中国は産学連携がとても緊
 密で効率がいい。それに比べ、日本は産学の連携
 が希薄になっている。危機をきっかけに、日本は
 改革をしていかないと益々中国に勝てなくなる。
・中小企業の側も、コロナ危機を機会に発注元の
 ”親”を選ぶことを考えるべきです。景気がいい
 ときはもっと早く商品を持ってこいと急かすのに
 景気が悪くなるとすぐ発注をやめるような相手に
 は付いていかないことです。
 危機のときこそ、どれだけしたたかに生きるか。
 それを考えるのが経営者の役目です。

 堀塲会長のコロナ危機と向き合う3ヵ条

1 あらゆるキャッシュの流出を見直す
2 危機を通じて自社の体質を改革する
3 自社の強みを見直し、選ばれる会社になる

◎ ジャパネットホールディングス
  髙田旭人 社長兼CEO

    心にすみつく不安を減らしたい

・僕ができることは。とにかく早く意思決定をし、
 その内容を皆に伝えていくことだけ。どう考え、
 何をやり、何をやらないかを次々と判断してい
 ます。
・社員全員で同じ方向を見て素早く動けるように
 コロナショック以降の意思決定の軸となる
 「3つの柱」を決めました。
・(1)社員とその家族を守ることが最優先
 (2)ビジネスを通した社会貢献を行う
 (3)伝えることを生かした社会貢献を行う
・「何をやるか」よりも「何をやらないか」の
 判断が大事
・毎晩のリモート飲み会
 「zoomを使って「リモート飲み会」を私が主催
 しています。「この日は各部門長と」「この日
 は3,4年目の社員と」などと予定を詰め込んで
 います。

 髙田社長のコロナショックと向き合う3ヵ条

1 意志決定の「軸」を作り、社員でシェアする
2 会社に関わる人の「不安や負担」を少しでも減
  らす
3 「制約条件」をマイナスと決めつけない

◎ ダイヤ精機  諏訪貴子社長

  不安を列記し、考える余裕をつくる

・これまでの経験から、危機への備えも増やしてい
 ます。いつ何が起こるか分からないので、業界平
 均の2倍ほどの運転資金を常に確保しています。
・加えて、通常の運転資金の融資を受けるときは、
 ある条件を加えています。具体的には、「緊急時
 には元本返済をストップできる」というものです
  実質的なリスケジュール(リスケ)ですね。
・そうして書きだした不安は頭の中からいったん切
 り離します。そうやって頭の中に次のことを考え
 る隙間を空け、新たな課題に対応していきます。
  その繰り返しです。いくら時間がかかっても、
 「ここまで考えてダメなら、日本中の会社が倒産
 する」と開き直れるところまで考え抜くしかあり
 ません。
・私はリーマンショックのときでも新規借り入れは
 していません。申請したら認められていたはずで
 すが、新規で借り入れるくらいなら会社を畳むつ
 もりでした。既存事業の継続は、それくらいの意
 識で取り組むほうがいいと考えています。

 諏訪社長のコロナショックと向き合う3ヵ条

1 平時から資金面で備える
2 試算は悲観的なシナリオで進める
3 不安を下記だし可視化する

◎ 六花亭 小田 豊 亭主

  危機こそ人の心を大事にする

・まず、社員には「永続性」と墨で書いた紙を見せ
 ました。危機に直面している今、何としても会社
 を永続させることに焦点を当てたかったからです
  会社の永続という観点で一番大事なのは人材。
 人こそ六花亭の重要な財産です。この危機の中、
 人心を今まで通りに保つことが社員を集めた理由
 です。
・4月には、社員の給料のベースアップをしました。
 1万円程度の大判振る舞いです。
  君たちには給料の面で安心を届けるから、その
 分、会社を永続させるために気を引き締めてほし
 いと伝えました。社員の心にぜい肉が付いている
 と、コロナ危機が収束して平時に戻ったときに立
 ち上ろうとしても、腰が上がらなくなる。そんな
 状態は何としても避けたいのです。
・では、その分の利益をどこで確保するのか。
 無店舗販売を伸ばしてもいいでしょう。ただ、無
 店舗販売のような便利なものに全面的に寄りかか
 るのもいけない。北海道までわざわざ足を運んで
 いただくからこそ、通販で伝わらない六花亭の文
 化がお客様に浸透する。コロナ後は六花亭の文化
 という価値がより重要になると思います。

 小田亭主のコロナショックと向き合う3ヵ条

1 お客が減ったらしっかり休ませる
2 危機のときこそ社員の士気を大事にする
3 売り上げ減をチャンスに、減収増益体質に転換

◎ サイボウズ  青野慶久社長

  自分がもう一段成長する機会に

・私も育児と家事をしながら自宅で仕事をしていま
 すが、どうしても会社と同じにはなりません。
 そこで、私から積極的に「子供の面倒を見ている
 人は無理をしないで」と発信しています。具体的
 には、仕事の成果が下がっても評価を下げないと
 明言したり、悩みがあったらと直接相談してと、
 チャット経由で声をかけたりしています。できな
 いものはできないと諦めることが肝心です。
・コロナ問題に関しては、不謹慎かもしれませんが
 私は個人的にワクワクが止まりません。
 「失われた30年」などといわれるバブル崩壊後の
 経済の長期停滞は、私に言わせれば「インターネ
 ットを活用してこなかった30年」です。
  その間に、うまく利用してきた他の先進国に引
 き離され、新興国に追い付かれたり追い抜かれた
 りしてしまいました。
・収束後も、働き方は元に戻るわけではありません
  新しい環境に変ります。そこで栄えるのは、
 新しい環境に適応できた人たちです。ありきたり
 ですが、この危機をいかにチャンスに変えるかが
 問われていると思います。

 青野社長のコロナショックと向き合う3ヵ条

1 在宅社員に無理をさせない
2 オンラインの活用法を深堀する
3 長期戦を覚悟し、変化を受け入れる

◎ 広島市信用組合 山本明弘 理事長

  危機下でも3日で融資判断

・私たちは、リ-マン・ショックのときも増益、
 東日本大震災のときも増益でした。今期も増益予
 想です。仕事の基本は一貫して変えていません。
  本業の預金と融資に特化し、それを妨げる要因 
 を徹底的に取り除いています。
・ほかの金融機関では、国債などで資金を運用して
 いるので、不況になると資産が目減りします。
・また、金融機関は融資額に占める不良債権の比率
 を低く抑えなければならず、不良債権化する可能
 性のある融資には、貸倒引当金も多く積まなくて
 はいけません。そこで、多くの金融機関は普段か
 らリスクを取った融資をしたがらず、不況時は一
 層貸さなくなります。
・一方、私たちは不良債権処理を毎年徹底していま
 す。リスクを取って融資をする以上、一部が不良
 債権化することは避けられません。だからこそ、
 徹底して処理をするのです。
・ほかの金融機関が積極的に取り扱う金融商品の販
 売もしません。不況時に配当などの条件が一変し
 たら、担当者は説明に走り回らないといけません
  それで忙しくしていたら、本業に力をいれるべ
 きときに素早く動けなくなります。
・もし今、あなたの会社がコロナの影響で本当に困
 っていて、それが「カネ」の問題であるなら、金
 融機関の担当者と本気でぶつかり包み隠さず話す
 ことをお勧めします。
・今が苦しくても、何としても続けたい事業があり
 従業員を守り抜きたいというなら、それを私たち
 にとことんまで伝えてください。当面の見通しは
 赤字だったり債務超過だったりしても、事業への
 強い決意を見せられれば、それに応える金融機関
 はあるはずです。
・熱意がある会社にこそ、私は融資をしたいし、そ
 んな会社が成長したときにこそ、この仕事の喜び
 を感じるのです。

 山本理事長のコロナショックと向き合う3ヵ条

1 本業集中で融資判断を素早くする
2 日頃から顧客と細かく接点を持つ
3 不況期でも融資判断の基準は変えない


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7人の経営者それぞれのコロナショックと向き合う
3ヵ条でした。

実際に事業をやり実績を残し続け、今後も事業を
継続していく意欲と自信をもっている経営者の
信念みたいなものを私は感じました。

いつもいつも同じことを自分に言い聞かせている
のですが、誰かの理論を上手に分かりやすく弁舌
爽やかに説明するコンサルタントよりも、説明下手
でも、聴く人間の心に響く経営者自らの体験談や
自身の哲学、考え方を聴いた時のほうが遥かに、
おもしろく勉強になります。

自分も基本的に経営者でなければと。


コロナ禍で世の中での仕事のあり方が大きく変わっ
てきています。

インターネットを使ったビジネスのあり方が益々、
加速すると思います。
決して一過性のもので終わることはないでしょう。

かくいう私も6月から、新たにネットを通して事業
に取り組める仕組みを導入しました。

しかし、いつの時代でも、時代の常識がどんなに変
っても「この人は付き合っても大丈夫」という信頼
感が根底になければと思います。


「収束後に栄えるのは新たな環境に適応できた人」
青野社長の言葉です。

ダーウィンも進化論の中で「強い者ではなく環境に
適応できたものが生き残る」みたいなことを説いて
ます。


時代が変わったからこそ変えるべきもの。
時代が変わっても決して変えてはならないもの。

その違いをしっかりと肝に銘じておこうと思います


福島さんは、今回の7名の中で、どなたの
考え方に特に納得されたでしょうか。


もし、一人だけ挙げていただければ、是非教えて
下さい(^^♪


ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


福島さんの幸運な日々を祈念します。


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