◎◎さん(^^♪
こんにちは。
SILアカデミー 1on1 オンライン顧問 福島塾
塾長の福島清隆です。 【専門は物流です】
本日のテーマは「財務レバレッジ」です。
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武田薬品工業 「5兆円企業」をゴールに掲げた
外国人CEO、前半戦の通信簿
週刊ダイヤモンド 2021.6/26
決算書100本ノック! 2021/夏
P62~~P63
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[5兆円企業」?
そんな超大企業の話なんか参考にならん。
ほとんどの中小企業・中堅企業の経営者の方々は、
そのように受け取られるかもしれません。
しかし、果たしてそうなんだろうか。
後半以降で中小企業向けの某税理士さんの著書から
の一部を転載します。
専門家もイロイロですから、
「それとこれは違うでしょう」
となるかもしれませんが、私は同じではないか。
そう感じてます。
まずは、超大企業の話題からご紹介します。
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財務レバレッジ = 総資産 ÷ 自己資本
* 借入金など負債をてこに自己資本の何倍の資
産を事業に投資しているかを示す指標。日本
では2倍前後が適正といわれている。
日本の製薬大手5社の財務レバレッジ (倍)
大塚ホールディングス 1.39
アステラス製薬 1.64
第一三条 1.63
中外製薬 1.26
エーザイ 1.49
5社平均は 1.48 倍
武田薬品工業の財務レバレッジ
12.91兆円 ÷ 5.17兆円 = 2.49倍
メガファーマの財務レバレッジ
ロシュ(スイス) 2.37
ノバルティス(スイス) 2.33
メルク(米国) 3.61
J&J(米国) 2.76
BMS(米国) 3.13
5社平均は 2.84 倍
◎ 武田薬品の財務レバレッジは、
日本のライバルたちに比べて借金が多め!
でも世界水準では低い!
・武田薬品工業の2021年3月決算
売上高 3兆1978億円(対前年比▲2.8%)
営業利益 5093億円(同+407.2%)
純利益 3760億円(同749.9%)
・金額だけ見れば急成長したかに思えるが、
同社の営業利益率15.9%,純利益率11.7%は、
業界では平凡な数値だ。
・武田の外国人社長ウェーバー氏
報酬21億円
ノンコア資産売却
レバレッジ経営
米国重視
・アイルランドのシャイアー買収(約6兆円)
で他社の製品と新薬開発ラインを丸ごと
飲み込んだ。
・差額は有利子負債で賄い、徐々に返済しているが
21年3月期で約4兆6000億円もある。
・武田薬品工業は一部の投資家から
「リスク過多の大借金王」
と誹られている。
・しかし、同社は相次ぐ大型買収で売上高は世界の
トップ10入りし、押しも押されもせぬメガファー
マ(巨大製薬会社)になった。
日本の狭い了見で、武田薬品工業を非難しても
よいものだろうか。
○世界に目を転じれば、見方はがらりと変わる。
(前述:メガファーマの財務レバレッジ)
武田薬品工業をメガファーマ基準で見れば、財務
レバレッジは平均以下の”優良企業”といえる。
「真のグローバル企業」へ脱皮を図った武田薬品
工業は、いいかげんメガファーマ基準で見るべき
だろう。
そもそも日本企業は無借金経営を美とするような
会社もあるぐらいで、「負債をてこにしたレバレ
ッジ経営ができていない」との批判がつねにある
・ただし武田薬品工業の総資産の内容は注意すべき
新薬開発パイプラインで続けざまに開発断念が
生じれば、「巨額減損→財務レバレッジ悪化→
投資適格格付けダウン」の恐れは大いにある。
同社は22年3月期に日本の製薬会社では前代未聞
の、5220億円もの研究開発費を投入する。新薬
開発がヤマ場を迎えているためだ。
・新薬開発はエビデンスが成否を冷酷に決める世界
で、「最後は運」と言い切る経営者もいる。
ウェーバーCEOも投資家も”しびれる”後半戦が
幕を開けた。
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(私見)
ここまでが世界の大企業に脱皮した武田薬品工業の
話です。同社の取締役会議長の坂根正弘氏は、今年
の同社の株主総会で「武田薬品工業は日本で唯一、
本当の国際化がなされている企業である」と喝破し
CEOのウェーバー氏に対する絶大な信頼を表明して
います。
武田薬品工業は世界のトップ10から更にトップ5に
入る企業へと成長してほしいと私は願っています
実のところ(言わなくてもいいことですが)私は
同社の株主です。(もちろん、超少数株主ですが)
同社からの配当はありがたい財源のひとつです。
現在、同社の株価は冴えない数値で額面上大赤字
です。しかし、私は株価の復活と、更なる上昇を
信じてます。単なる願望かな?
神のみぞ知る。 楽観的にいこう(^^♪
さて、ここからは話はガラリと変わるかどうか、
中小企業向けの話です。しかし、私には本質的に
同じことではないかと思えます。
「稼ぐ経営脳のつくり方!」
経営をしていない社長たちへ
サムライBOOKS 1300円+税
くもんあきひろ (公門章弘)
【税理士/キャッシュフローコーチ】
同書のP87、P88の一部をそのまま転載します。
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借入金は他人資本
会計学的に言うと、資本金は「自己資本」
借入金は「他人資本」です。つまり、借入金も
「資本」なのです。事業を進めるための元手なので
す。確かに返済義務はあります。しかし、人のお金
ですが自分の事業の元手なのです。
ここで言いたいのは、資本を貯めるより借りた方が
早いということです。次なる投資のために、毎年の
利益を積み上げて元手を作るより、銀行から調達し
たほうが早いということです。なぜならば、ビジネ
スにおいてスピードはとても重要だからです。銀行
融資による借入とは「時間を買う」という意味合い
があるのです。利益で貯めていく時間をカットでき
るのです。つまりは成長のための時間を買っている
のです。
また、資金量が増えますので、上手くいった場合
のリターンの規模も大きくなります。レバレッジを
かけることができるのです。。当然、債務ですから
、上手くいかなかった場合のリスクも生じます。
しかし、リスクを背負わなくては大きなリターンは
望めません。リスクをとれる覚悟を持てないなら経
営者は務まりません。大事なのはとるべきリスクを
最小限に収められるかどうかなのです。これが「借
入金」の考え方です。決してマイナスなものではあ
りません
できれば潤沢な資金を持った上で借入を申し込め
るようになりたいものです。
銀行のお金で事業を回す。これが最高の状態です
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(私見)
公門氏は某県を中心に、中小企業のオーナー経営者
に経営指導をされている方です。
「財務レバレッジ」という考え方からして、世界の
超大企業であれ、日本の地方の中小企業であれ、借
入金に対する考え方は全く同じなのではないでしょ
うか。
私が居住する福岡県でも、飲食業界のある経営者
は、このコロナ禍の中にあって、銀行から融資して
もらって6つの新規事業を始めた方がいます。
またもうひとり別な飲食の店舗チェーン経営者は
コロナ禍で客が減る中、しかし、諸々の工夫をこな
し、「これなら返せる」という判断を下して、銀行
から新たに融資してもらい3店舗ほど店舗を増やし
たとのことです。
「借りた金を返せる」
優秀なオーナー経営者には「直観力の優れた方」が
多い。というのが私の経験的持論です。
彼らが決して「勘」だけに頼って経営をしている
ということはないと思いますが、まざに
「借金も財産のうち」
として冷静に会社の「キャッシュフロー」を把握
されているのだと思います。
世界の超巨大企業であれ中小零細企業であれ、
「返せる」
という見通しが立つなら同じなのではないか?
そう感じて、今回のテーマを取り上げました。
同時に、企業体質についても疑問があります。
「世界で勝つ」を掲げ当然の如くグローバル
企業に脱皮した武田薬品工業。
同社では、激しいリストラと能力主義が定着
しているようです。
一方、国内で「人にやさしく」をモットーに
発展を狙う日本の(一部の)主に中堅・中小企
業。
もちろん、後者がダメなどと言う気は更々あり
ません。
しかしながら、もしかしてここにもノーテンキ
日本で中堅・中小企業経営者の甘えがあるのか
どうか。それで世界に勝てるのか。
(決して、人は使い捨てでいいなどと言ってる
訳ではありません・・・念のため)
何も世界を相手に勝負してるんじゃないから、
日本国内で平和に生きていければそれで充分。
そんな考え方でこの先も日本が安泰なら、それ
はそれでいいのかもしれませんが・・・・
経営者は常にチャレンジを続ける人であってほ
しいと私は思います。
日本の未来は安泰なのでしょうか、確実に衰退
するのでしょうか?
◎◎さんは、(経営者や経営を指導されるお
立場であれば)財務レバレッジという数値に拘って
おられるのでしょうか。
あるいはまた、借入金(借金)も財産のうちという
感覚でしょうか。
世界の大企業、武田薬品工業であれ、中小零細企業
であれ、「借入金」に対する考え方に相違はないと
いうことでしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
◎◎さんの幸運な日々を祈念します。
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