【jyogar教授のアモリ通信354】 地政学    20220302

◎◎さん(^^♪


こんにちは。


SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
jyogar教授の福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「地政学」です。

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地政学

 見るだけで会話ができる!
 防衛のプロへも指南、地政学の第一人者が伝授!

    奥山真司 監修
    青山学院大学 講師    新星出版社    
                 ¥1200+税

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 昨年から私が嵌っている北野幸伯氏が推薦してい
る書籍なので勢いで購入してみました。

 ここでも「なるほど」のオンパレードなのですが
もくじ以下、いくつかのポイントをご紹介します。

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1.基本的な6つの概念
2.日本の地政学
3.アメリカ・ロシア・中国の地政学
4.アジア・中東・ヨーロッパの地政学

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◎ 地政学とは、簡単にいうと「国の地理的な条件
  をもとに、他国との関係性や国際社会での行動
  を考える」アプローチ

1.基本的な6つの概念

● 基本的な概念1
  地政学を駆使すれば世界を「コントロール」
  できる!?

国同士のコントロール
 相手より優位に立ち、相手を管理する
 恐怖  領土を奪われないか
 名誉  世界で威厳を保ちたい
 利益  お金を儲けるチャンス

 コントロールする国  根本は人間の本質と同じ

 コントロールされる国に対して
    製品を高値で「売却」
    材料を安く「購入」
    歯向かわないように「工作」

 アメリカの4つのオプション
    完全支配、選択的関与、
    オフショア・バランシング、孤立主義

● 基本的な概念2  
  他国をコントロールする戦略「バランス・オブ
  ・パワー」は、要するに猿山理論

  1位の国が勢力を増した2位の国に対し、3位
  以下の国と協力しながら挟み込んで国力を削
  ぐというもの。
  2位以下の勢力を均一化し、抵抗を不可能にす
  るという考え方で、内容的には猿山のボスと、
  その他の猿の力関係のようなシンプルな理論
  です。

かつて世界を席巻した英国流バランス・オブ・パ
ワー

① ヨーロッパの1位はイギリスだが、大陸では
  ドイツの勢力が拡大

 (イギリス)  ドイツが強くなってきたな

 (大陸では・・・ドイツ、ロシア、フランス)


    
● 基本的な概念3
  「チョーク・ポイント」をおさえて国家の
  命綱である「ルート」を支配する

 大規模な物流の中心は海路であり、国家の運営に
おいてルートは命綱です。「チョーク・ポイント」
とは、このルートを航行するうえで絶対に通る、
海上の関所。具体的には、陸に囲まれた海峡や、
補給の関係上、必ず立ち寄る場所で、世界に10個
ほど存在するといわれています。

 
 チョーク・ポイントをおさえるだけで、ルート
を支配でき、同時に周辺国まで大きな影響力を持
ことができる。

 世界の主要なチョーク・ポイント
 (ここさえおさえれば世界に影響力が!)

イギリス海峡、ジブラルタル海峡、スエズ運河、
ボスポラス海峡、バブ・エル・マンデブ海峡、
ホルムズ海峡、喜望峰、マラッカ海峡、
パナマ運河、マゼラン海峡

● 基本的な概念4
  国際的な紛争に見え隠れする
  「ランドパワー」と「シーパワー」の正体

ランドパワー
 ユーラシア大陸内部の国々。陸上戦略を持ち
 道路や鉄道を使った陸上輸送能力に優れる。

   代表的な国   (外に出たい!)
 ロシア、中国、ドイツ、フランス

シーパワー
 国境の多くが海洋に面する国々。海洋に出る
船はもちろん、造船場や港湾施設などを持つ

   代表的な国   (押し止めたい)
 アメリカ、イギリス、日本

歴史を見ると、ランドパワーとシーパワーが
交互に力を持つ

10~~15世紀
航海技術が未発達で、物流は陸上中心
ランドパワー優位

15~~19世紀
スペインやイギリスが世界を席巻
シーパーワー優位

19~~20世紀
鉄道建設が進み、ドイツやロシアが台頭
ランドパワー優位?

20世紀後半~~
アメリカと日本が世界の富を手中に収めた
シーパワー優位?

● 基本的な概念5
  大きな紛争は「ハートランド」のランドパワー
  と「リムランド」のシーパワーの衝突

ハートランド
 ユーラシア大陸の中心エリア。長い間、北部は
氷に覆われる北極海であり、海洋にはアクセスでき
なかった。(現在では一部溶解しており、部分的に
通行が可能)

リムランド
古くから文明や都市が発展してきたハートランド
の周縁(リム)のエリア。ヨーロッパや中東、
中央アジア、東南アジア、東アジアなどが含まれる
が、アメリカやイギリス,日本は含まれない。
歴史的に、国際的な大規模紛争の多くはこのエリア
で勃発しており、近年でもその傾向は変わらない。

リムランドで起きた近年の大戦争
1950年~  朝鮮戦争(朝鮮半島)
1955年~  ベトナム戦争(インドシナ半島)
2001年~  アフガニスタン戦争(インド周辺)
2003年~  イラク戦争(アラビア半島周辺)

● 基本的な概念6

国同士の衝突の火種に!?
コントロールに必須の「拠点」の重要性

拠点の重要性

イギリスのアフリカへの侵入
1800年代後半のイギリスは、まずナイル川下流
の都市カイロを拠点にして影響力を保持して徐々に
上流にのぼった。


離島から、影響力を持つ
海洋から陸地をコントロールする場合、沖合にある
島に拠点を築き、陸地にまで影響力を保持する。

アメリカ軍の代表的な海外拠点

ラムシュタイン米軍基地
ドイツにあるヨーロッパ最大の空軍基地

ジプチ共和国
中国やアメリカのほか、イタリアやフランス、
日本の拠点も存在する

ディエゴ・ガルシア米軍基地
島全体が基地。中東に影響力を持つ

沖縄米軍基地
世界の主要都市が射程に入る優れた拠点

米海軍横須賀基地
世界最大級の修理設備のある海軍基地


2.日本の地政学

地政学で考える日本の特徴

Ⅰ 歴史的に見ると、日本は 
  ① ランドパワー
    ~江戸時代後期 
    長きにわたり内向きのランドパワー国家 

  ② シー&ランドパワー  
    明治~昭和初期
    海洋へ進出し、ランドとシーの両立を目指
    すも失敗

  ③ シーパワー
    第二次大戦後~
    アメリカの傘のもと、大きな力を持つ


Ⅱ 国土
  
  攻めにくい自然環境&自給できる国土により独
  立を守る 

Ⅲ 衝突
  長らく中国と朝鮮半島のランドパワー勢力と
  対立。韓国がある現在は例外的な時代

(以下は「QuestionとAnserのみ列記します)


01 結局のところ、なんで北方領土はロシアから
   返還されない? 

「北極海ルート」の影響で返還はますます
   困難に


02 アメリカにとって沖縄米軍基地は
   ”完璧な拠点”って本当!? 

   沖縄米軍基地は、拠点に必要な要素を
   ”完璧”に備える


03 ”世界の警察”たる米海軍の要!?
   米海軍横須賀基地の”世界一の設備”とは?

   空母も修理できる巨大ドライドックは、世界
   に展開する米海軍に必須


04 対馬列島、尖閣諸島・・・・・
   衝突の根底にある”近海の争い”って何?

   近海を制覇したい中国側の勢力。
   封じ込めたいアメリカ側の勢力の衝突


05 抑止力は分かるけど・・・・・
   それ以外、米軍って日本にどんな意味が
   ある?

   実は日本の石油ルートを守っているのは
   100%米海軍の力


06 今の段階では、北朝鮮のミサイルを恐れる
   必要はない?

   7分で着弾するミサイルは相当な脅威。
   アメリカ本土ならもう空爆している。

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「地政学」「ランドパワー」「シーパワー」
「ハートランド」「リムランド」・・・・・

聞き慣れない言葉が多いのですが、いつもにもま
して、いい学びになりました。

ま、しかし、これもいつものように平和ボケ日本
にあっては、このような著書が大きく注目される
のはなかなか難しいのかもしれません。


03 ”世界の警察”たる米海軍の要!?
   米海軍横須賀基地の”世界一の設備”とは?

   空母も修理できる巨大ドライドックは、世界
   に展開する米海軍に必須


05 抑止力は分かるけど・・・・・
   それ以外、米軍って日本にどんな意味が
   ある?

   実は日本の石油ルートを守っているのは
   100%米海軍の力


横須賀基地に行ったことはありませんが、こういう
「現実」を知ると、「日米安保の破棄」などという
ことは、政治的な「脅し」「駆け引き」ではあって
も、実際にはあり得ないのだろうなと、ふと思いま
した。最も、日本が経済的が更に更に没落して、
”世界一の設備”を提供できなくなったら、悲しい
現実に襲われるかもしれませんが。


なにはともあれ、孫が大人になったとき、悲惨な
日本であって欲しくないと願うのみです。


◎◎さんは、「地政学」「ランドパワー」
「シーパワー」「ハートランド」「リムランド」。
こういう言葉を御存知だったでしょうか。
ご関心はおありでしょうか。


ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。


最後まで読んでいただきありがとうございます。


◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

 

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