◎◎さん(^^♪
こんにちは。
SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】
本日のテーマは「心の京セラ」です。
今回はちょっと長くなりました〈💦)
心の京セラ 二十年 青山政次
発行者 心を高める 経営を伸ばす
世界大会連絡事務局
本書は書店販売はされていないと思います。
有料の月刊誌でもありません。
旧盛和塾の後継組織の関係で会員に会費の中から
無料配布されたものです。
青山政次という、多分、稲盛和夫と長年にわたっ
て苦楽を共にされた方の著書です。
「働き方改革」が常識のように唱えられている昨
今。あのモーレツの代名詞のような、ニデック
(旧日本電産の永守重信氏からして、ゆとりのあ
る働き方を説く変貌ぶりです。そういう時代に、
これから記載する内容が、特に若い世代にはどの
ように受け止められるのでしょうか。「時代が違
うよ」のひと言で済むのでしょうか。
(35)得意先から叱られる
ある得意先から、「京セラは何でも、出来る出
来るといって注文を取る。我々も出来るというか
ら、当てにして待っていても、なかなか納期通りに
つくってこないではないか。出来ないものは出来
ないといって、注文を取るな。我々が迷惑するか
ら」といって叱られた。大抵の者なれば、返答に
困り、謝るのが落ちである。
稲盛の返答は、即座に出てくる。「初めから
出来ないと言えば、注文はもらえないし、あなた
の方も困られるでしょう。また他社へ出されても、
どこもつくれないでしょう。我々も初めてのもの
であり、難しいものですから、本当はやってみな
ければ分かりませんが、しかし我々は努力すれば
必ずやれると思っているし、またどうしてもやら
なければならないと思ってやってるのです。その
心意気を買って欲しい。もし最初に断ればそれで
おしまいになってしまいます。おっしゃる通り、
納期には間に合わなかったこともありますが、
多少遅れても、結局つくりあげてお納めしており
ます。我々のこの熱意と努力を酌んでほしいの
です」と答えた。
こんな返答が即座に出るのは、機知があるから
ではない。常日頃から、その通りの考えで注文を
取っているので、自分の考えをズバリ答え、ズバ
リ相手に通じ、相手は怒るどころか、感心してる
のである。この稲盛の心意気は、京セラの幹部に
しみ込んでいるはずだが、なかなかこうはズバリ
誰も答えられない。
(36) 瞬間瞬間に全力を尽くす
ニチボー(日紡)貝塚の女子バレーボールチー
ムのことは、映画にもなり、本にも出て、一般に
よく知られている。大松監督が、優勝しか許され
ない東京オリンピックに備えるために、考え出さ
れたのが、回転レシーブだという。そのとき、女
子部員から大松監督に、「そんな無茶な練習は
できません。監督は私たちを殺すつもりですか」
と抗議され、想像もしなかった言葉に監督は、
呆然としたと書かれています。これと同じような
話が、京セラの初期にあった。
京セラの幹部は、毎日朝8時から仕事に精一杯
努力し、夜も10時11時と市電の最終まで頑張り、
フラフラになって帰ってゆく。ある夜、幹部の奥
さんから会社に電話がかかってきた。「主人はま
だ会社にいますか。毎日毎日遅くまで働いていま
すが、会社はまだ残業をさせているのですか。
会社は夫を殺すつもりですか。早く帰してくださ
い」といって電話が切れた。
この奥さんも結婚するときまでは、京セラに勤
めておられ、毎晩残業することは十分承知のはず
なのだが、新婚間もない奥さんにとっては、ご飯
も食べられず、腹が立って辛抱しきれなかったの
でしょう。かかることは、この奥さんだけでなく
、私も稲盛も、他の幹部連中も、晩御飯は日曜日
以外は、10時11時でないと家庭では食べてい
ないはずです。少なくとも、私と稲盛は、本社が
山科の現在地に移るまでは、10数年間続いて
いました。
稲盛だけは今でもそうかもしれません。ここでも
し、この主人の奥さに負け、仕事を程よく切りあ
げて帰るなり「こんなに働かせる会社はとてもた
まらぬ」と辞めていたら、今日のその人は無かっ
たはずである。その人は現在京セラの最高幹部の
一人である。
ニチボーの魔女たちも、大松監督の強い信念に
押され、ついにやる決心がつき、一人の選手を5
人で空中にかかえ上げ、1,2,3で前へ投げ出す
かかる猛練習を繰り返し、背中が痛くて辛抱でき
なくなり、ラクダの背中同様にはれあがって、病
院で診察してもらったら、医者の第一声は、「こ
れはひどい、すぐ休ませるように」と言われたが、
一日休めば、取り戻すのに二日かかる。選手たち
は、「これ以上悪くならないのですから、痛い苦
しい自分に打ち勝ち、目的のために練習を続けま
す」と言い切ったと言われる。これも選手が、「
そんな無茶な練習はできません」と言ったとき、
「ああそうか」とやめていたら、回転レシーブも
生まれず、東京オリンピックでの優勝の栄冠は得
られなかったでしょう。
私も初め、2,3回稲盛に注意した。「余り毎
晩遅くまで仕事をやるのは無理だ。みんな夜鳴き
うどんで済ませるが、夜鳴きが来ないときは、何
も食べないで頑張っている。また銭湯に間に合わ
ず、1ヵ月風呂にも入っていないという者もいる。
(現副社長伊藤)。皆からだをこわしてしまうぞ
、少し早く切り上げたら」といった。稲盛もその
時はそうだと思い、2,3日は9時頃で切り上げた
がすぐ本性を現し、遅くまで仕事をやる。皆も引
きずられて、仕事をやる。稲盛はどうしても早く
切りあげられないのである。その瞬間瞬間におい
て、自分の全力を出し切って、悔いのない仕事を
やらなければ、という強い信念が、どうしても途
中で切り上げることができないのである。私も稲
盛の性質を知っているので、その後は注意するの
をやめた。
途中で仕事に負けて、京セラを去った幹部も
何人かいる。それ程の人々と現在残っている
幹部と対比するとき、そこに人間的にも大きな
差のできることは明らかである。いかなることに
も壁はある。その壁が、厚ければ厚い程、打ち勝
った喜びは大きい。稲盛は無限の力を信じ、
将来の豊かな実りを願い、自分のためでなく、
共に働いているみんなのために、先に先頭に立
って、努力している。彼は言う、「もしこれが少
しでも、自分の私利私欲のためであったら、決し
て皆がかくまでは努力しないであろう」と。この
一言で十分稲盛の心を知ることができる。
私が注意したことを聞き入れ、仕事も程々
に切り上げていたら、今日の京セラは生まれな
かったかもしれない。自分が根限り働くように、
幹部も根限り働くよう指導する。その彼の
強烈な迫力が、京セラの幹部をつくり、従業
員を育て、今日の京セラをつくっている。こんな
姿の会社は稲盛以外の誰がつくろうとしても
、つくり得ない、世界に類のない異色の会社
である。
最後のこのひと言に尽きると私は思いました
ついて行けず京セラを辞めて行った人は、
稲盛和夫のことをあまりよく言わないの
かもしれません。
また、以前、ある知人が、「京セラや稲盛
なんてものすごく評判が悪いんだぞ」
(表現は方言なのですが・・・)とか言って
ました。
世の中、評価はいろいろあります。
働き方改革が叫ばれる今の時代、なかなかこうい
うレベルの組織運営は難しいことと思います。
前述したニデック(旧日本電産)の永守重信
さんにしても、国際競争を勝ち抜くにはゆとり
が必要と説いています。凄い変化です(汗)
ただちょっと違うことを私は感じました。
あの誰もが別格の人物として評価する
大谷翔平。彼はもしかしたら、トレーニングと
睡眠とリラックスすることに総ての時間を費やし
ているのではないか。日本に帰国しても、私が
知る限りではTVのバラエティ番組他で彼を見る
ことはありません。彼が出演すれば高視聴率は
間違いありませんから、絶対にオファーはあると
思います。きっとすべてのオファーを断っている
のでしょう。彼は自分の総ての時間を「好きな
野球」に費やしているのではないか。そして彼は
常にプレー中も含めて「楽しい」「充実した」
時間を過ごしているに違いない。そして、誰もが
驚く結果を残しています。
彼の仕事に対する立派な生きざまです。
使う側と使われる側の違い云々を指摘さ
れる方もいることでしょうが、昔も今も「熱意」
があればいくらでもそこに時間を投入していけ
るものだと思います。
働き方改革とは次元の違う話でしょうか?
◎◎さんは、稲盛和夫のような人物
が上司だった場合、ついて行けると思われますか
あるいはまた、自分自身が稲盛和夫のような
レベルで仕事ができると思いますか。
大谷翔平はすべての時間を野球に捧げていると
思われますか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
◎◎さんの幸運な日々を祈念します