【アモリ通信429】 心の京セラ ②

◎◎さん(^^♪

こんにちは。

SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】

本日のテーマは「心の京セラ ②」です。


 心の京セラ 二十年  青山政次  

  発行者  心を高める 経営を伸ばす
       世界大会連絡事務局 

東京営業所の”騒動”を即決
  (昭和42年)    P254~P256

今回は、6月28日配信のアモリ通信422の
第2弾です。
「時代が違うよ・・・・」と、私のような年齢の
人間でも、そう感じてしまうのですが、果たし
てそれでいいのか・・とも感じてしまいます。
働き方改革で具体的な制度を構築している
各企業の担当者の方々は、どのように感じる
のでしょうか。

第2楽章
(32)東京営業所の”騒動”を即決
          (昭和42年)

 ある朝、本社で仕事の打ち合わせをやっている
とき、東京営業所の岡川〇一から電話がかかっ
てきた。稲盛が出ると、「昨夜から部下の連中が
ごてて、夜中まで話し合ったがラチがあかず困っ
ています」とのこと。稲盛は早々に東京へ出かけ
た。

 前夜10時半ころ、岡川が客先から帰って事
務所のドアを開けたとたんに、中川〇が「部長
お先に」と言って帰ろうとするので、「ちょっと
待て、お前もう帰るのか」と言ったら、中川はす
かさず、「もう帰るとは何ごとですか。いい機会
です。かねがね一度部長にお話したいと思ってい
ました」と切り出した。他の4,5人の連中も、岡
川を取り囲むように寄ってきた。「部長、銀座に
たくさんビルはありますが、今頃まで明かりがつ
いているビルがいくらありますか。外を見てくだ
さい。部長は好きでいつも頑張っているんでしょ
うが、我々若い者をどう思っているんですか。遊
びもしたい、酒も飲みたい、生身の人間です。部
長のように毎日毎日遅くまで続きません」

 岡川自身は真面目一方で、遊びを知らない。
いつも会社のことのみ思い、頑張ってきている。
部下も自分と同じ気持ちでやってれているものと
信じ切っていたのだから、夢にも思っていない部
下のことばにびっくり仰天。かっと興奮して胃痙
攣を起こし、痛み激しく口もきけず、冷や汗が
出るばかりであった。岡川のような純粋な男な
らさもありなんと察せられる。「すまんがこの痛
みでは話もできんので、今日は帰る。明日話をし
よう、必ず受けて立つ」と、タクシーを呼んで
帰った。後に残った部下の連中はいきり立って
いた。大将株の大〇哲が「今日の喧嘩は今日の
うちに決着をつけなあかん」と皆ですぐ後を追い
、川崎の岡川のアパートまで押しかけて行った。
アパ-トの狭い部屋で、すし詰めになって夜半
まで話し合ったが、嚙み合わず、岡川の胃の痛み
はますますひどくなるばかりなので、明日にしよ
う、とようやく皆がひきあげてくれたとのこと。

 東京営業所に着いた稲盛は、岡川をビルの地下
の喫茶店に残し、皆を事務室に集めた。
開口一番、「何が気にいらんのか。どんな不満
があるのか。岡川の悪い点を挙げて見ろ」と
問うと、皆は一つ二つ三つと指折り数え、三つ
まで挙げたので、「もうないのか」と聞いた。
「そんなところです」という返事が終わるか終わ
らぬかに、稲盛はテーブルをたたいて烈火のごと
く怒った。

「たった三つしか悪いところがないのか。人間な
くて七癖という。それだけ頭数がそろって、三つ
しか悪いところがないというのであれば、黙って
岡川に従え。それが嫌なら全部辞めてしまえ。
振り出しに戻るだけや。二つや三つの欠点が
あってついて行けないというのであれば、誰がき
ても同じだ。全部やめるか従うか、どっちかにし
ろ」とたたみかけられ白か黒かと迫られると、
一瞬しーんとなり、「分かりました、従います」
となった。

一方稲盛は階段を下りて喫茶店に行き、しょ
んぼりとしている岡川に「バカかっ!お前は!
俺がお前の欠点を聞いたら一つ二つ三つと数
えよった。欠点を数えられるぐらいなめられとっ
て仕事ができるのか、信じられてもおらんリーダ
ーがあるのか。そんなつき合いで仕事ができるか
。お前なんか辞めてしまえ。おらん方がましじゃ
『鞍上人なし鞍下馬なし』と言うやろ、大将
というのは勝手に馬に乗るもんでなく、ただ乗
せられるものでもない。もう一度仁義の切り直
しをせい」と怒鳴りつけた。

 岡川だけでなく、皆このように怒鳴りつけられ
ながら教えられて鍛えられているのである。こん
な場合、岡川ならあるいは皆さんなら、どんな
解決をつけたでしょうか。一歩後退の解決しか
できなかったのではないでしょうか。上司たるも
の日頃から部下に信じられ、命ずるままに手足
のごとく働くように部下を育てておけば、こんな
問題は起こらない。この一例のごとく京セラに
いろいろな問題が起こる度ごとに、稲盛のあざ
やかな見事な即決の連続が、今日の驚くべき
京セラの発展をつくったと言って過言ではあり
ますまい。


人間なくて七癖という。それだけ頭数がそろって
、三つしか悪いところがないというのであれば、
黙って岡川に従え。それが嫌なら全部辞めてし
まえ。

欠点を数えられるぐらいなめられとって仕事が
できるのか、信じられてもおらんリーダーがある
のか。そんなつき合いで仕事ができるか。お前
なんか辞めてしまえ。

上司たるもの日頃から部下に信じられ、命ず
るままに手足のごとく働くように部下を育てて
おけば、こんな問題は起こらない。


『弊社は基本的に残業はしない、あっても
〇時間内と定められております。このような
問題は弊社では起こりえません』

『弊社は基本的にテレワークを中心とした勤務
体制となっております。このような問題は弊社
では起こりえません』

とか何とか、軽くあしらわれるのでしょうか?

全ての企業がそうではないにしても、ほとんどの
企業勤務の方々が、規模の大小を問わず
このような事例には現代では違和感を感じ
られるのでしょうか?

上司たるもの日頃から部下に信じられ、命ず
るままに手足のごとく働くように部下を育てて
おけば、こんな問題は起こらない。

これも・・・・ふと過去の自分を振り返った時
残念ながらそういうレベルとはいいがたかった
というのが率直な思いです。

◎◎さんは、今回の稲盛氏の
具体的な対応について、今の時代でも十分
通用する話であり、またそういう人物・企業が
「いる」「ある」と思われるでしょうか。

ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

◎◎さんの幸運な日々を祈念します。

 
 
 

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