◎◎さん(^^♪
こんにちは。
SILアカデミー 1on1 オンライン顧問
ジョガーFの福島清隆です。【専門は物流です】
本日のテーマは「心の京セラ ④」です。
心の京セラ 二十年 青山政次
発行者 心を高める 経営を伸ばす
世界大会連絡事務局
怒るばかりが能じゃない
(昭和45年3月) P349~P353
「心の京セラ」をこれまで3回ご紹介させていた
だきました。
今週と来週、2回連続で更にご紹介させてい
ただき、このシリーズは終わりとさせていただき
ます。
稲盛和夫氏の感性をどう思うかは人それぞれ
です。合う合わない、好き嫌いは誰にでもあり
ます。実際、私自身、同氏が上司だった場合
本当について行けたかどうかは分かりません。
しかし、問題の多い経営者も少なくない中、
素直に同氏から学ぶ姿勢は大切だと思います。
第3楽章
(二二)かく叱られ、教えられ、鍛えられ、
育てられた
(1)叱られ初めは「やり直し、ノックして!」
ミスターA 昭和36年
・私が36年に高校を出て京セラ入社試験のとき
面接室へ入った途端に「やり直し、ノックして
!」と叱られた
これが稲盛社長(当時は技術部長)に叱られ
初めでいまだに忘れられない。入社して1年間
焼成を担当させられた。焼成は徹夜が多い。
当時社長は受注拡大のため東へよく出張し夜行
で帰ってこられ、家へは帰らないで真っ先に会社
へ来て徹夜で頑張っている我々を見回り、そのま
まその日夜遅くまで会社で皆と一緒に働き、指導
される。まだ子供であった私は「この人、家へ帰
らないのかな」と不思議に思っていた。創業前、
社長に従った誓詞血判組の面々も、当然のように
夜遅く、市電の最終まで頑張る。何の抵抗もなく
働くってこんなものだと植えつけられて育てられ
た。
(以下略)
(2)英会話のラボ(練習用カセット)を買って
叱られる (青山記) 昭和40年
会社へ英会話のラボを持ってセールスマンが
宣伝にやってきた。話を聞いてみると勉強できそ
うだと思い大勢の者が購入した。稲盛はこのこと
を聞き、早速ラボを買った連中を全部部屋へ呼
んで、「おまえ達は本当に勉強するのか」と尋ね
た。考えてみればその連中の月給は2万円内外
、ラボは10万円、約半年分の給料に値する。
そんな高価なものを買って本当に勉強し身につ
けばいいが、中途半端でやめたのでは無駄遣い
となる。こうしたことにまで心配し、気を遣って
いただいていることに、皆感謝しながらも恐れ入
ったのである。
(以下略)
(3)金型を担いで帰る社長に教訓を感じる
ミスターB 昭和41年
私が入社してまだ日の浅い頃だった。工場では
必要な素材を零細な下請け企業から買いつけて
いた。東京の下町にも数多く存在していたので、
勉強の意味で社長のお供をして、東京を一日中
走り回った。京セラでは、社長のお供をして回る
ほど、しんどいことはないのである。社長は欲張
りで一日で全部の業者を回ろうとするので、昼食
なんか食う暇もなく、最後の金型屋を訪れた頃は
日もとっぷり暮れていた。挨拶もそこそこに話し
を進めていた所へ、蒲生工場から発注金型の催促
電話がかかってきた。
幸いその金型はようやくでき上ってきたところ
だったので、社長は言下に、「おれが持って帰る
」とおっしゃった。帰りの電車の時間もギリギリ
だ。金型は相当重い。「君は僕の鞄を持ってくれ
」と言われるや否や、その金型を肩に担いで外に
出て、人込みの中をかき分けながら、駆け足のよ
うにして東京駅に向かわれた。後から走るように
してついていった。汗ばんだ体を新幹線の電車に
横たえた時は、これでどうやら京都へ帰れると一
息つくと、フッと眠りが襲ってきた。しばらく眠
ったかと思った頃、肩をたたかれ振り向いた時、
差し出されたパンの一切れに思わず手を出すと、
ニッコリされた社長の顔がのぞいていた。
このたった一日、初めて社長のお供をして行動
を共にした中に、無限の教訓を感じた。昼めしも
食わず一日をフルに活用し、相手先との話し合
いも実にキビキビと急所を押さえ、瞬時も早く
工場へ持って帰らねばと、仕事への情熱に重い
金型も平気で担ぎ、どちらが社長か社員か分
からない行動を、自然の流れのように平気でや
られる。たった一日お供しただけで社長との心の
触れ合いを感じ、おのずと頭の下がる思いをし、
この社長のためになら根限り働いてみようと思っ
た。
(4)増産情勢と合理化・能率化
(青山記) 昭和42年
(前略)
各事業部も高い部品を購入すると、直ちに時間
当たりに影響することをよく知っている。ほうき
すら、女子社員が来月には買いますと経費を節約
して、スリ切れたので辛抱した。設計部門では営
業から送られた設計図面を丹念に書き写していた
印刷機も、昔、小学校の先生が使っていた手
押しの謄写版で、手を真っ黒にして一枚一枚印刷
をしていた。稲盛の基本的な経営法、すなわち人
を入れない、機械を買わない方針が徹底して行わ
れ、従業員末端に至るまで時間当たりを良くする
という考え方が浸透していた。
しかし、本格的に受注が増えてきたので、いつ
までも能率の悪い手作業は続けられない。ようや
く人手を省くために複写機の購入が許され、机も
この後購入の分から、一通り規格のあるものへ移
行することになった。これが創立後8年目のこと
である。今の京セラを思とき、夢のような昔話で
あります。初心を忘れず、節約を忘れず大いに頑
張ってください。
(5)バカでガムシャラに進もう ミスターC
(昭和42年)
(前略)
ちょうどこの頃よく社長を囲んでコンパを開き
ましたが、お忙しいのに大抵時間を調整して出席
していただきました。たまにどうしても出られな
い日にコンパの招待をしますと、大変申し訳なさ
そうに「皆のコンパにぜひ出席したいから、私の
都合のいいこの日にしてほしい」とかえって依頼
され、一も二もなく変更して開いていました。
あるコンパの席上社長は皆の顔を見て
「ここに残っている者は皆バカばっかりだ」
「なまじっか賢い者はいろいろなことを考えて、
ひとつの目標に進んでいけないので皆、辞めてい
く。そういう意味で今残っている者は皆バカで、
一途に進んで他のことは考えないから気持ちが合
うんだ」と言われた。「なるほどそういうものか
も知れん。だったら今後もバカでガムシャラに進
もうやないか」と、その場は大変ムードも盛り上
がり、最高のコンパになったものです。
もうひとつ、その席上で私と同期数人が社長を
囲んで、輪になって話していた時でした。同期の
ひとりが社長に向かって、「先輩のことで文句が
ある」と先輩のいけないことを言っていたとき、
突然社長は酒をその者にブッかけて、「お前なら
どうするんだ。どうしたら良いと思うのか」
人の悪いことばかり並べて自分の意見がない奴
はおれは大嫌いだ」と大変な見幕で叱られました
いろいろと社長に叱られ、言って聞かされ、
ついに彼は涙を流して「私は大変悪うございまし
た。これから大いに頑張ります」と社長に抱きつ
いて感激していました。
これぐらい相手を叱って、これくらいその場で
好かれる人はこの世にあろうかと、感心と
驚きを感じたことはありませんでした。
(6) 午前様 ミスターD 昭和42年
私が昭和42年2月京セラへ入社して、まだ数か
月しかたっていない頃、納期に追われながらの毎
日で午前様は日常茶飯事のことでした。ちょうど
その日は、夜を通してメタライズの仕事をやって
おりました。夜中の2時頃突然、「ご苦労さん、
頑張ってくれよ」と言葉をかけられました。今時
分、誰かなあと思って顔を上げましたら、社長の
ニコヤカな顔を見てビックリしました。また非常
にうれしく実をいうとしんどいなあと思いながら
仕事をしておりました時だけに、社長から直接励
ましの声を聞いて、途端にしんどい気持ちが一遍
に吹き飛んで、よし頑張ろうという気持ちになり
ました。
(以下略)
(7) 社長から教えられたこと
ミスターE
a.指示を仰ぐとき
① 自分なりの結論が出るまで真剣に考える
癖をつけること
② 真剣に考えることによって人の意見がよく
わかるようになったこと。
③ 人から無理に押しつけられたことを嫌々
するより、少々間違った結論であっても
自分の結論通りやる方が結果的に能率
が良いこと。
b.クレーム処理法 昭和45年
(前略)
「まず問題が発生したら、その原因を徹底的に
追求することは当然だが、その原因を素早く
見極めて、お客様に第一番に安心してもらうこと
だ。その説明には、原因を簡単明瞭な形にして
納得してもらうことである。その後、社内では真
の原因を取り除くため、必死で追求し、絶対に
二度と同じクレームを受けないように注意するこ
とだ。それには原因を見極める技術力と、製造現
場での細かい点についてまでよく知っていること
が必要だ」と教えられました。
これも客先と応対する場合の基本的な考え方
のひとつとして肝に銘じているつもりです。
(私見)
どれもこれも頭が下がる内容ばかりです。
その中で、私なりに一番印象に残るのは、
これぐらい相手を叱って、これくらいその場で
好かれる人はこの世にあろうかと、感心と
驚きを感じたことはありませんでした。
何も、稲盛和夫と自分を比較して、自分を
卑下することもないな、考え過ぎることもない
なと。次元が違う。 (苦笑&💦)
後半は来週に繋げます。
松下幸之助は昭和の経営の神様。
稲盛和夫は平成の経営の神様。
神様の真似は無理でも、脳ミソのどこかに
宿っていいてもいいと思います。
それで案外、凡人のバカなミスを防げてる
ようにも思うのですが・・・・・
◎◎さんは、
今回ご紹介した中では、どれが最も
印象に残る話でしょうか?
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
◎◎さんの幸運な日々を祈念します。