福島清隆 さん
こんにちは。
キャッシュフローコーチ &
リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは「 失敗の法則 」です
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失敗の法則
プロジェクトが止まる5つの理由
日経ビジネス 2017.11.13 No.1916
1.”羽ばたけない”MRJ
過信が生んだ5回の延期(P28~P33)
4.プロジェクトを止めない5つの教訓
社運は賭けるものじゃない(P42~P43)
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今回は日経ビジネスの上記特集から2つの記事
を選んで纏めてみます。
最初にMRJです。
半世紀ぶりの国産旅客機ということで、
三菱グループが威信をかけて取り組んでいるであろ
う同プロジェクト。
外野の私は、日本の技術力をもって世界をリード、
などと能天気に期待していたのですが、実態は全く
の逆か?。 いったいどうなってるんでしょう?
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1.”羽ばたけない”MRJ
過信が生んだ5回の延期(P28~P33)
・三菱重工業の子会社、三菱航空機がMRJの事業
主体を担う。
・プロジェクトの遅れを取り戻すために、
約2000人の関係者のうち、米国の拠点も含め
て、約600人が外国人エキスパート。
・1973年に生産中止となった「YS11」
以来の「日の丸旅客機」として2008年3月に
始まったMRJ事業。
・2013年に全日本空輸(ANA)に引き渡す予定だ
ったが、5回の納入延期で未だ果たせていない。
・現在は20年半ばの納入を目指しているが、当初
1500億円程度とみられていた開発費用は、
既に4000億~5000億円へ膨張しているよ
うだ。
◎ 5回の失敗の概要
1回目 2009年9月
主翼を炭素繊維複合材からアルミへ
材料変更
2回目 2012年4月
製造現場で不適切行為、
MRJの製造工程も再検証
3回目 2013年8月
サプライヤーからの装備品の仕様固めが
難航
4回目 2015年12月
外国人有識者の進言で、地上試験の内容を
拡充
5回目 2017年1月
外国人有識者の進言で、電気配線の設計
変更
・火力発電整備部門の低迷などで業績がさえない
三菱重工。連結売上高は4兆円あるが、MRJ
は次第に重荷になりつつある。
◎ そもそも航空機は各国の航空当局から
「型式証明」
というお墨付きを得なければ、商業運行でき
ない。
・強すぎる三菱重工の第一人者という自負。
様々な経験を積み、生まれた完成機への自信。
・しかし、高性能の航空機を作ることと型式証明
を効率的に取得することは本来は別のスキル。
・三菱重工はそうした認識が足りなかった。
外国人アドバイザーはまさにここに懸念を示した
・国交省の後ろにはFAA(米連邦航空局)が控えて
いる。
型式証明の経験が乏しい国交省は「先生役」
としてFAAにいる約20人のMRJ担当者と
連携して審査にあたっている。
・MRJの開発陣はこの事実を甘く見ていたフシ
がある。
・安全性の立証でのあんばいはどの程度か、
立証の作法はいかなるものか。
本来、この部分をしっかり認証していなければ
型式証明は取れない。
・「航空機技術で第一人者」を自負するMRJの
開発陣は、国交省やその背後にいるFAAとの
公式・非公式の意思疎通を欠いていなかったか
・2016年秋以降、型式証明の取得に向けて、
外国人技術者の比率が高まる一方である。
・カナダ、ロシア、中国の競合企業に先を越され
MRJは思い描いた先行者利益を享受できて
いない。
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業種を問わず、日本企業は様々な失敗を繰り返し
ています。 (資料省略)
MRJでの苦戦があの巨大企業三菱重工の経営に
負担となり、まさか東芝やシャープ、東京電力の
ようになってほしくないものです。
”強すぎる「第一人者」という自負”
ここに失敗の教訓があるように私は思います。
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4.プロジェクトを止めない5つの教訓
社運は賭けるものじゃない(P42~P43)
「いくら世界のキタノともてはやされても、
興行成績が振るわなければ監督生命が絶たれて
しまう。リクープメント(費用回収)は最低の
条件だ」
「私にとって映画はギャンブルではない。成功を
義務付けられたビジネスなんだ」
北野武(ビートたけし)監督の同志として、18作
の映画をプロデュースしてきた森昌行社長。
・北野作品では一度たりともスケジュールをオーバ
ーしたことがない。
・予算オーバーは出資者に対する契約違反。
・早い段階で作品のマイナス要素を徹底的にあぶり
出すことで、それを薄める理論武装ができ、キャ
ッチコピーにも活用できる。
・どれだけ優れた才能を持っていても、リクープメ
ントできなければ次の作品を撮らせてもらえない
消極的に聞こえるかもしれないが、継続こそが
ヒット作を作る大前提だ。
◎ 売上が立たずに困るのは、オフィス北野も
三菱重工業も同じだ。
ならばなぜ、北野組は18作連続で納期を守り
MRJは初号機で既に5回の延期に追い込まれた
のか。
答えは簡単だ。リスクに対する向き合い方が、
全く異なっていたからだ。
( 「規模が違う。同じ比較はできない」
もし大企業勤務でそう考える方がいらしたら、
その方は大企業病を認識できず、脱すること
もできていない方だと私は思います。
同時に中堅企業以下の勤務の方でも、組織は
大企業から中小零細企業まで、リスク管理の
基本は同じという認識があっていいと私は思い
ます )
・森社長は天候や交通機関といった予測困難なリク
スにも気を配る。
・一方、MRJではプロジェクトの進捗管理に対する
認識や準備不足があった。
・MRJの納期延期の繰り返しの原因は、自社の長い
歴史の中で培ってきた「自前主義」から抜け出せ
ない。外部の知恵を十分に生かす体制を作れない
ため。
・その背景にあるのが多くの日本企業に共通する
「現場力」に対する過信である。
・今の日本企業の経営者は、古き良き現場で育った
世代。過去の幻想にとらわれ過ぎている。
(学習院大学:守島基博教授:
人材マネジメント論が専門)
・失敗した大規模なプロジェクトは、決まって下か
ら崩れていく。下請けや派遣社員など、現場を支
える人の疲弊を見逃してはならない」
(文教大学:関哲郎教授)
・報告は必ず良い方向に化けていく
(元日本IBM専務:富永章 氏)
・切羽詰まった状況にならないとトラブルの実態が
報告されない。
(ガートナージャパン:長谷島眞時 氏)
・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ
(ドイツの宰相:ビスマルク)
・日本の経営者は、経験を積んだ事業なら失敗しな
いと思い込む傾向がある。これが多くの失敗の
原因になっている。
・巨大な液晶工場を建設したシャープや米ウェス
チングハウスを買収した東芝と、MRJに挑んだ
三菱重工業は「本業の延長線上」で失敗したとい
う点で共通する。
・誰よりもその事業を知っているという過剰な自信
がリスク感覚をゆがめ、会社の命運を賭ける規模
の資金を投じた。(神戸大学:三品和広教授)
◎ 歴史とは他人の経験の集合体だ。自らの経験か
らしか学べない人を、ビスマルクは愚者と言っ
た。
先人の失敗から教訓を導ける組織に変わらない
限り、社運を賭けた無謀な挑戦は続く。
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プロジェクトが止まる5つの理由
1.甘い見込みが諸悪の根源
2.自前主義へのこだわり
3.人材育成システムの断絶
4.現場と経営の情報乖離
5.第一人者という強い自負
プロジェクトを止めない5つの教訓
1.納期厳守が費用回収の条件
2.外部人材の積極的な登用
3.現場の劣化を直視する
4.良い報告こそ疑ってかかる
5.経験主義からの脱却
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三菱重工業のMRJへの挑戦と北野オフィスの
映画作り。
巨大戦艦と小型クルーザーくらいの規模の差で
しょうか。
京セラのアメーバ経営はどんなに大きな組織でも
最小なら5人から10人くらいの組織に分割して
独立して採算を考えるようにするものだそうです。
そこには必ずリーダーが存在します。
今の時代これからの時代は、大企業程に経営が
厳しい、そんな時代が到来するかもしれません。
人生100年時代。100年まで生きたくない、
働きたくない人でも、年金は確実に減っていく
時代です。
まずは80過ぎまでは現役で働く感覚を持っては
どうでしょうか。
小さな組織を大きくする。小さな組織で大きな
仕事をする。 それを可能にするために、20代
30代、40代の頃から準備しておく。
運よく大企業に勤務している人でも、しかるべき
時期に「独立」すべきでは?
本文と主旨の異なる話のようになったかもしれま
せんが、大企業の看板で仕事ができている人より
も、オフィス北野の森社長のような方の方が
遥かに魅力的な人物に、私には見えます。
福島さんは、プロジェクトが止まる5つの
理由とプロジェクトを止めない5つの教訓について
更に追加する要素があるでしょうか。
あるいは5つの中に必要ないと思われるものがある
でしょうか。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
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