福島清隆 さん
こんにちは。
キャッシュフローコーチ &
リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは、「 成長か衰退か 」です。
-----------------------------------------
成長か衰退か 生産性 考
危機を好機に 1~5
日本経済新聞 2017.11.27~12.1
-----------------------------------------
今回は日経新聞の上記のテーマを選択しました。
先に重要ポイント2点を記します。
〇 人手不足を克服できず衰退の道をたどるのか
それとも生産性革命をなし遂げ、再び成長の
道を進むのか。
後の人々から「革命」と呼ばれるかもかもしれ
ない時代を私たちは生きている。
〇 日本の高齢化は世界最速で進む。
社会保障給付費は団塊世代がすべて75歳以上
になる25年度、150兆円近くになる。
15年度の3割増しだ。
高効率の企業の競争で生産性を高める。
元気な高齢者を増やし、国の費用も抑える。
これからアジア各国も高齢化する。
生産性向上で難関を突破し、世界にそのノウハ
ウを提供できれば、日本の新たな成長の源にも
なりうる。
-------------------------------------------
危機を好機に 1 2017.11.27
人手不足 飛躍のバネに
・人手不足に悩んでいた資源リサイクルのシタラ
興産の設樂竜也社長はフィンランドのロボットを
導入した。
・人手に代わってアーム型ロボットが施設で活躍。
・センサーで廃棄物を画像認識し、人工知能(AI)
が瞬時に選抜すべき対象を判断。
・以前は18人による手作業だったが、今は2人
でロボを見守るだけ。
・ロボットの導入など頭になかったが、重労働の
廃棄物を選別する作業員が全く集まらず廃業も
頭をよぎった。
・ロボットを含む設備投資額は25億円で資本金
の25倍。だが、人手で1人400トンが限界
だった処理能力は5倍に増えた。
・日本の成長率が今のままと仮定すると、
2025年に583万人の労働力が不足する。
・克服するためには、GDPの成長率が2.0%の
場合、労働生産性の伸び率を6%超。労働参加
率を最大高めても2.8%にする必要がある。
・300年前、英国は今の日本と同様、生産性に
苦しんでいた。
・賃金の高さの割に生産性が低く、工業製品は
中国やインドと勝負にならなかった。
・だが、その高い人件費が省力化のニーズを高め
ジェームズ・ワットの蒸気機関の改良などで
英国で産業革命が実現した要因となった。
・300年前の英国と時空を超えて重なる日本。
・AIなどの新技術は多くの分野で雇用減の圧力。
・みずほフィナンシャルグループなど3メガバン
クは単純合算で3万2千人分の業務量や人員を
減らす。
・新技術で1人当たりの付加価値を高め、賃金を
増やしていく。
そんな好循環を生み出すことが日本経済の成長
に欠かせない。
-------------------------------------------
危機を好機に 2 2017.11.28
非製造業こそチャンス 週3日休む旅館
・鶴巻温泉の「陣屋」(神奈川県)は、無休から
「定休3日」に切り替えながら、社員の平均年
収を4割増やした。
・オーナーの宮崎富雄氏が経営を引き継いだ
2008年。部屋は20室で稼働率は40%台
・団体客向けに宿泊料を9800円からにしたが
利益は出なかった。
・「平均単価を上げるしかない」
・14年2月から毎週火・水曜日を休館とし、
16年1月からは月曜日も休館にした。
・一方で正社員を20人から25人に増やし
休館日の半日を研修や会議に充て接客力の向上
や食事も改めた。
・その結果、客単価は4万5000円まで上昇。
稼働率も80%まで高まり、社員の平均年収は
288万円から398万円と4割増えた。
・非製造業は生産性が上がっていない業種が多い
・日本生産性本部によると(1995~2015)実質労働
生産性(就業者1時間当たり)
製造業で74%増。
非製造業の、運輸・郵便業は9%減、宿泊・飲
食サービス業が5%減。建設業が2%減。
・非製造業は国内総生産(GDP)の約8割を占める
・「労働集約的な産業こそ生産性を劇的に向上で
きる」
(経営共創基盤の富山和彦最高経営責任者)
--------------------------------------------
危機を好機に 3 2017.11.29
大転換 逃げずに対峙
新入社員はロボ
「日生ロボ美 趣味・・みなさんのお手伝い、
特技・・タイピング、入力作業」
(日本生命保険の職員紹介冊子)
・ロボ美はロボットのようにデータ入力などを
自動処理するソフト。能力は25人分
・「私たちの仕事はどうなるんだろう」
(日生の事務センターで働く西村あずささん)
・25年までに世界で1億人以上のホワイトカ
ラーの仕事を自動化ソフトが代替すると予測
(米マッキンゼー)
・「人と同じ量の仕事をするロボットには、人
と同じレベルで課税すべきだ」
( ビル・ゲイツ )
・「25年までの10年間で欧米銀行員の3割
が職を奪われる」
( 米大手銀シティグループ )
・「1万9000人を実数で減らす」
(みずほフィナンシャルグループ:
佐藤康弘社長)
・NTTの場合 社員数
1979年32万8700人
現在、固定電話事業を担うNTT東日本・
西日本の社員数合計で約6万人
NTTデータの社員(情報システムが主力)
13倍に増加。 NTTドコモは2.4倍
NTT連結ベースの社員数 27万5千人
単純計算で新事業が20万人規模の雇用を
生んだ。
---------------------------------------
危機を好機に 4 2017.11.30
現場の頑張りだけでは・・・
・東証1部上場の1657社を分析すると、
M&A(合併・買収)など重要な経営判断の
巧拙が生産性の差を生む実相が浮かぶ。
・大和ハウス
戸建て住宅の利益は全体の6%に過ぎない
M&Aを通じ、物流など拡大する需要を取り込
み、生産性の向上につなげた。
・武田薬品工業
この10年で従業員を2倍強に増やしたが
利益は87%減らした。
計2兆円で海外の同業2社を買収したが、
スイスの旧ナイコメッド社についてはまだ
充分に収益を生んでいない。
「外国人社員の管理など統合作業に苦しん
でいる」
・日立製作所
中小型液晶パネルなど不採算事業を切り離
す一方で、鉄道や情報システムなど強みを
持つ分野を拡大して営業利益はこの10年
で2.6倍に増えた。
日立製作所は日本企業の生産性向上のモデ
ルとなる。
----------------------------------------
危機を好機に 5 2017.12.1
社会保障こそ成長の源
努力生かせぬ介護
・厚生労働省によると、2025年に必要な
介護職員は約253万人。対する見込みは
215万人。38万人が不足。
・介護ロボットの活用が切り札だが、人員配
置の基準も厳しく、デイサービスだと原則
5人の利用者に職員一人が必要。
・ロボットも使い効率的にサービスを提供し
ても、人手は減らせない。
・要介護が3から2になると、月の費用は約
15万円から10万円程度に減り、事業者
の収入も減る。
・「成果に報いる制度にしないと健康な高齢
者は増えない」
・介護は工夫次第で生産性を高める余地が大
きい。
・通所介護の利益率(税引き前)は月の利用
者が300人以下だとマイナス4%だが、
901人以上はプラス10%。
・「事業者には一定の規模が必要」
SOMPOホールディングス桜田謙悟社長
・現実には零細な社会福祉法人が多い。
・就業者1時間当たりの実質労働生産性は
(介護を含む)「保険衛生・社会事業」が
2671円で製造業(5228円)の半分
(日本生産性本部)
-------------------------------------
福島さんは労働力不足を生産性の向上
で乗り切り、それによって日本経済が復活する
という考え方をどう思われますか。
かって私は、人口が減れば市場は縮小するしか
なく、経済も何もかもが衰退の方向に向かうし
かないのだろうと悲観的な考え方でした。
しかし、技術革新による「生産性の向上」こそ
新たな繁栄を導くものという考え方に変わりま
した。
ただし、法規制や一気に技術革新が進む訳でも
なく、市場のニーズは待ったなしなので、時間
的な落差は付きまといます。
小さな矛盾、時間的なズレは避けられないでし
ょうが、日本経済は生産性の向上で新たな繁栄
の波に乗り、「日本システム」を多くの分野で
海外に輸出できるようになる
その為に必要なもの、それはやはり広い意味
での「教育」だと思います。
そう信じたいです。
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
福島さんの幸運な日々を祈念します。
******************************************
Amazon・Kindle 【アモリ通信】
最新配信版:第14弾
平尾誠二:全11話(130~140)
https://www.amazon.co.jp/dp/B078M1T5LC
2017年度配信版:全51話 (90~140)
https://www.amazon.co.jp/dp/B078RFBFJQ
2016年度配信版:全51話:(39~89)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01N34FSYO
2015年度配信版:全38話:(1~38)
https://www.amazon.co.jp/dp/B01JYVOREU
******************************************
SILマネジメントサポート 代表 福島清隆
・オフィシャルサイト:http://www.sil-ms.jp
・お問合せE-mail: info@sil-ms.jp
------------------------------------------
Copyright(C)2015 SILマネジメントサポート
All Rights Reserved.
お問い合わせ・ご相談
ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
SILマネジメント株式会社
お問い合わせ・ご相談はこちら