【アモリ通信153:兵法三十六計 PART1】   20180328

 
 
福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。

本日のテーマは「兵法三十六計 PART1」です。
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36の日中間ビジネス事例で学ぶ
中国人のビジネス・ルール
    兵法三十六計
      梁増美 (masumi  ryo)
                     Discover 社
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一度取り上げてみたいと思っていた
「兵法三十六計」です。
一気に全部掲載すると長過ぎるので、1回12計
で3部作にします。
今月がPART1。7月がPART2。そして最後は11月に
PART3。
これでネタをとりあえず2つ確保です (笑)
それではさっそく纏めます。
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第一計  瞞天過海 (まんてんかかい)
世間をだましてうまく逃げる
捕らわれの身になったとき、天をあざむいて
逃亡するという意味。
「天」とはもともと皇帝のことだが、ここでは
「世間」を指す。
世間をあざむいて危機を乗り切るということに
なる。
絶体絶命の状態から逃げる計だ。
古典に出てくる逸話。
ある国の皇太子が敵国の軍に包囲された。
皇太子は毎日、城門を出ては弓矢の練習をし、
また戻るのを続ける。
敵兵ははじめのうち監視していたが、一週間
一カ月たつと監視しなくなる。
そうなったところで皇太子はいきなり包囲を突破
して逃げてしまったのである。
【要点】
●絶体絶命の窮地に追い込まれても、中国人は
 あきらめずに奇策で逃げる
●窮地に追い込まれたときに助けてくれるような
 関係を官庁などとの間に築いておこう
 
第二計  囲魏救趙  (いぎきゅうちょう)
真の目的を遂げるために別の場所を攻める
「囲魏救趙」には真正面から攻撃してはいけない
守備の手薄なところを探して攻撃せよという意味
がある。
敵の真正面というのは、向こうも構えているので
守備が堅い。
守備が手薄になっているところをまず探して、
そこを攻めると、相手はあわててそちらに力を
分散させる。そこで、正面をつくのだ。
【要点】
●真っ向から戦いを挑まず、まずは十分に情報を
 集めて準備する
●準備ができたら、戦いは長引かせないで一気に
 勝利へ持ち込む
 
第三計   借刀殺人 (しゃくとうさつじん)
自分では手を下さず、他人にやらせる
他人の刀を借りて、人を殺すという意味。
自分自身では手を下さないということ。
たとえば交渉をするとき、自分ではNOといえない
のなら、誰か別の人間にNOといわせるといったこ
とである。
必ず複数の見積もりをとって競わせ、値切って
いく中国企業
仲間内で役割分担して芝居を打つ中国側の交渉
担当者
【要点】
●相手と直接には対峙しないというのが中国式
 のやり方だ
●第三者を使って、あるいは第三者を引き合い
 に出して交渉するのはよく使われる手。
 こちらも第三者を使って対抗するのもひとつ
 の方法
 
第四計   以逸待労 (いいつたいろう)
こちらは休んでから敵が疲れるのを待つ
敵の勢いを削ぐためには、戦うより、相手が先に
疲れるのを待った方がいいという意味。
「孫子」には「先に戦場にいて敵を待つ者は楽だが
あとから戦場に着いて戦に臨む者は不利だ」といわ
れている。
空港まで交渉を持ち込むつもりで準備していた
中国側
日本側担当者が中国に着いても、なかなか交渉を
始めない。
中国側のペースに引き込んで交渉をコンロールする
【要点】
●交渉を中国で行うのは要注意。引き延ばされ、
 疲労させられる危険がある
●相手の都合に合わせることを求められても、無理
 に応じる必要はない。
 
第五計  趁火打劫  (ちんかだきょう)
敵の危機につけ込んで攻撃する
文字通りの意味は「火事場泥棒をはたらく」
敵に何か危機があり、弱っているところをねらって
攻撃することである。
ブランドを守るため、中国企業と対峙せざるを得な
くなった日本企業
香港のコンサルタントとチームを組んで
中国企業に対抗
中国側の最大の問題を発見、「計」を仕掛ける
【要点】
●相手の情報を徹底的に集めることで、弱みを
 つかむ
●複数の「計」を組み合わせて使っていくことを
 考える
 
第六計  声東撃西  (せいとうげきせい)
別の場所で声をあげて敵を引きつけ、不意をつく
文字どおりには、東で声をあげて、敵の意識が
そちらに向いているときに、不意をついて本当の
目的である西を攻めるという意味。
いわゆる陽動作戦である。
真の目的を実現するために、それとは違うことを
あえて論争にする
【要点】
●目的にまっすぐ向かっていくことが効果的とは限
 らない。
 別の方向から攻められないか考えてみるとよい
 
第七計  無中生有  (むちゅうしょうゆう)
何かをでっちあげる
無から有を生む。何もないところに何かをでっち
あげてしまうという意味だ。
「無」であるものを「有」に見せるうちに「有」
にしていくという、深遠な哲学を含む計である。
日本企業の広告に根拠のない批判が集中する。
「無中生有」は中国人にとって悪い意味ではない
相手が「外人」なら、簡単なことでもあえて難しく
することも
直接攻撃しないで間接的にわからせるのが中国人の
基本原則
日本の常識で正邪をつけても効果はない
「計には計を」で対抗する
 【要点】
●中国人にとって、ないものをあるかのように
 つくり出すことは悪いことではない
●「計には計を」で対抗すれば、中国人に一目
 置かれる
 
第八計  暗渡陳倉  (あんとちんそう)
敵の目を別の場所に向けて、ひそかに目的地に
行く
もともとはもっと長くて「明修桟道 暗渡陳倉」
という。陳倉は地名。
劉邦が項羽と戦ったとき、劉邦軍の韓信は桟道
を修復してそちらに敵の注意を引きつけておき
別の方向から密かに陳倉に渡って敵を攻めた。
第二計「囲魏救趙」や第六計「声東撃西」などと
非常によく似ている
すなわち、真意を隠して別のことを行い、相手の
不意をつくわけだ
北朝鮮をめぐって「暗渡陳倉」を使った中国の
交渉術
【要点】
●中国側がいうことが真実を表しているとは限
 らない。裏の意味を考えよう
 
第九計  隔岸観火  (かくがんかんか)
敵の内紛を傍観して自滅を待つ
文字どおりには、対岸の火事を傍観するという意味
相手の勢力が自然に弱まっていくのを待っていると
いうことだ
第二計「囲魏救趙」で、魏に攻められている趙とい
う国から救援を求められているのに、趙に行くので
はなく、魏の国の首都に向かって包囲したという話
があった。
このとき、趙から救援を求められた斉の国の軍師が
孫子の子孫の孫臏(そんびん)だ
このとき、孫臏はすぐには軍隊を出さなかった。
ある程度、魏と趙を戦わせて疲労させておいてから
出ていったのである
競合他社間の争いは眺めていて、疲れたところを
攻撃する
【要点】
●敵が争っているときは、しばらく動かず、形勢
 をよく観察する
 
第十計   笑裏蔵刀  (しょうりぞうとう)
笑いながら近づいて敵を油断させ、倒す
顔は笑っていても、刀を隠し持っているという
意味
相手が好意を示して近寄ってきても、すきを見せ
てはいけないという戒めである
人間関係で税金の額が上下する中国
当たり前のように要求される「寄付金」
中国において企業は社会インフラのひとつ

【要点】
●よく知らない人間が笑顔で近づいてきたら、
 まず疑ってかかることが必要だ
 
第十一計  李代桃僵  (りだいとうきょう)
より大きな利益のために何かを犠牲にする
李(スモモ)が桃のかわりになって倒れる。
つまり大きな目的のために、より小さいことを
犠牲にするという意味になる
二人の給料を上げたら全員昇給させなければ
ならなくなった
【要点】
●誰かが犠牲になって全体の利益を大きくする
 という発想が中国人にはある
 
第十二計  順手牽羊(じゅんしゅけんよう)
目の前のチャンスを逃さない
羊泥棒が「道に落ちていた縄を拾ったら、それに
羊がついてきただけだ」といったという「水滸伝」
に出てくる逸話に由来する。
少しのすきがあったら見逃さずに必ず何か手に
入れるという意味
一般に、日本人に比べて中国人のほうが、小さな
ことでも見逃さない人が多いように思う。
目の前にあるチャンスに気づき、ぱっとそれを
つかむことについては、中国人は非常にたけて
いる
鄧小平を攻撃する機会を見逃さなかった人民
解放軍
日本企業の特徴は決定に時間がかかること
【要点】
●中国人はほんの小さなチャンスでも見逃さない。
 相手にこちらの弱みをつかまれないようにする
 必要がある

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全三十六計の内、今回は十二計までご紹介しました
残りは前述通り、7月と11月にアップします。
ちなみに、梁増美氏のプロフィールをご紹介します
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香港の公的機関に初の日本人スタッフとして就職
30年以上にわたり勤務。日本市場における貿易
促進活動の企画・立案・提案を行う。
行政学修士MPA、経営学修士MBA、国際関係学PhD
中華文化圏の経済および華人経営に関する著書
多数がある
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個人的にいつも感じていることを少し。
曲りなりにも、過去5年ほど、中国ビジネスと
関わり、上海にほぼ駐在と同じような感覚で
滞在した経験のある身としての感覚です。
交通マナーはメチャクチャ。サービスの品質は
(かなりマシになったであろうが)日本水準には
遥かに及ばない。
「賄賂は中国の文化だ」という社会常識。

そんな中国の実態と、「論語」、「孫子の兵法」
他、数々の中国古典に整合性があるのか???
中国人は自国の古典に学んでいるのか?

そういう素朴な疑問はとりあえずおいとくとして
いざ、日本と中国が、経済的にも軍事的にも、
そして文化的にも、「戦う」とまではいいません
が「競う」となったとき。
本気になったら、今の日本人では「コテンパン」
に中国人にやられてしまうのではないか。
中国を旅行して、関係者の古くからの知人に本当
によくしてもらった・・・といって満足して帰っ
てきた日本人観光客。
観光だからヨシとしても、果たして本当に見返り
を求めない善意の厚遇であったのだろうか。
現実的に「素直でない」私は、未だに中国人との
付き合い方に慎重さを感じている人間です。
 

福島さんは中国との関わりは如何様なもの
でしょうか。

行ったことがない。観光で少し。
ビジネスで少し。ビジネス他で大いに関わりがある
人それぞれ、価値観や判断基準が異なりますので
中国に対する”想い”も異なって然りと思います。
ある知人の教え
「中国を過大評価してはいけない。
 中国を過小評価してもいけない」
私にはこの言葉が極めて的を得ているように思え
ます。

兵法三十六計についてはどのように思われるでしょ
うか。
 
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
 

福島さんの幸運な日々を祈念します。
 
 
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 平尾誠二:全11話(130~140)
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