【アモリ通信175:社長はなぜ大学院に通うのか】  20180829

 
福島清隆 さん

こんにちは。

キャッシュフローコーチ &
   リスクマネージャーの福島清隆です。
本日のテーマは
    「社長はなぜ大学院に通うのか」です。
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 社長はなぜ大学院に通うのか
 経営しながら学んだ3人に聞く

  日経トップリーダー 2018.6
          ( P74 ~ P79 )
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アモリ通信のテーマで一番多いのは、やはり経営に
関する話題です。
大学院に通う社長が多いのかどうか、少々疑問では
ありますが、そういう方がいらっしゃるのも事実。
今回は上記の雑誌から3人の経営者をご紹介しま
す。
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三井福次郎会長  
三福工業(栃木県佐野市)
ゴムや合成樹脂の複合素材を製造
「新規事業の撤退基準が分かった」
・先代の急死に伴い、30歳で社長に就任
・分からないことは取引先や銀行に聞いてきた。
・実務一辺倒で経営し、取引先を3000社に
 増やしてきた。
・独自の技術開発で下請け体質を脱却。
・売上の3割を自社商品が占めるまでになった。
・社業は順調だが、自分の経営手法は経営戦略の
 理論に照らすと正しいのだろうか。
・答え合わせができれば、自信を持って指導がで
 きるし、より良い次の一手も考えることができ
 ると思いだした。
・まもなく60歳。息子や幹部社員に権限移譲。
・2年かけて社長がいなくても会社が回る体制を
 整え、某大学院ビジネスデザイン研究科に入学
・大きく変わったことは、新しい商品や事業を始
 める際、明確な数値目標とそのための戦略を具
 体的に立てるようになったこと。
・それまでは自分の思いと勘で経営していた。
・大切なのは、社長が先頭を走り続けることでは
 ない。
・まず、戦略を立て、売上目標や赤字額の限度な
 どを決め、走り始めたら社員に任せること。
・一方、社長は万が一失敗した際の策を練る。
・大学院で学んだ数々のケーススタディを通して
 幕引きのタイミングを正しく判断する。
 こうした経営に変えた。
・インドに関係会社を設立し、M&Aも積極的に実施
 した。
◎ 今は実務だけでも理論だけでも経営はうまく
  いかない事を知っている。
  経営トップとしての実務経験と大学院で学ん
  だ理論を駆使し、ゴム業界の中小企業の発展
  にも寄与できればと考えている。
【変わったこと】
● 事業撤退のタイミングを明確にすべきと学ん
  だ。
● 社長がいなくても会社が回る仕組みができた
● 成長戦略のためにM&Aを実施するようになった
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内山文宏社長
内山刃物(静岡県浜松市)
カーナビゲーションのパネルに使うプラスチック
板などの切削工具を製造。
「会社の将来を担う事業を見つけた」
・大学院に行こうと思った理由は、端的に言えば
 レーザー技術を使った加工機を導入するための
 補助金が欲しかったから。
・30歳で社長を引き継いだ96年頃から主力事業
 の需要が激減し、社長としての最初の仕事は、
 新規事業の開拓だった。
・ポケットベルのプラスチック、ガラケー用の
 液晶カバー材の切削工具の製造などを手掛けたが
 売上がピーク時の半分まで落ち込む。
・再度事業分野の開拓に奔走。
・その過程で、光産業創成大学院大学が主催する
 レーザー技術を使ったものづくりについて学ぶ
 講座に参加。
・あるメーカーの受講者に、複合素材用の工具が
 作れないかと相談された。
・必要な機会をカタログで調べたら1億円以上。
 リスクが大きすぎた。
・中小企業庁の「戦略的基盤技術高度化支援事業」
 に申請したが不採用。
・「技術と経営の両方の指導者がいる大学院に行っ
 て助けを借りよう」と同大学院大学に入学した。
・教授らのアドバイスを受けて再度、補助金を申請
 し採択が決まった。
・教授らの協力も得て自社工場での稼働も始まった
・教授や学生を通して、縁のなかった大手の機械メ
 ーカーや素材メーカーなどとのつながりができた
・経営者としての「思想」を持ち、それに共感して
 もらえなければネットワークが信頼関係に発展す
 ることはないことも学んだ。
・儲けたいからと言う動機では誰も協力してくれな
 い。何のために工具を作っているのか、ものづく
 りにどう貢献できるのか。それを考えるようにな
 った。
・メーカーと組んで素材と工具を同時に開発し、
 両者をスピーディーに市場に出す。これが新たな
 役割と考えた。
・起業や事業開発の意欲が旺盛な学生と意見交換し
 教授の知見に触れる中で考えた結果だ。
・「大学院大学に行かなければこの気持ちは得られ
  なかった」
・以前は1週間先の納期に悩んでいたが、今は5年
 、10年先の会社の将来像を見ている。

【変わったこと】
● 「あり得ない」ネットワークを得られた。
● 経営には「思想」が大切だと知った。
● 目先ではなく中長期で経営を考えるように
  なった。
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石原卓児
コメ兵(名古屋市):中古品販売大手
「場当たり的な発想から脱却した」
・13年に4代目の社長に就任し、グロービス経営
 大学院大学に通い経営学修士号を取得した。
・入学のきっかけは09年。取締役に就任し、新設
 の営業企画部部長を任されたことだ。
・入社以来、商品知識は豊富だったが、マーケティ
 ング知識はゼロ。
・コメ兵にはなかったマーケテイングの概念や、新
 たな発想を得ることができた。同時に、他者の幹
 部社員と比べて知識が劣る自分に恥ずかしさを覚
 えることもあった。
・CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネ
 ジメント=顧客管理)の概念を学んだ。
・単にチラシをまくとか、テレビCMを集中投下する
 というのではなく、顧客情報を管理・活用し、リ
 ピートを増やさなければと考えメンバーズカード
 の導入を決めた。
・勘や経験からではなく、どの商品をどの店舗にど
 の程度置けばいいのかを、科学的に予測し、効率
 的な店舗づくりができるようになった。
・品質の高い商品を店に置くことが必要なために考
 えたことは何か。
・エリアや商材の壁を取り、「買い取りと販売をす
 る店舗」と「商品管理をする商品センター」とを
 分けることが、商品管理と配送の両方の効率化に
 なると考えた。
・こうした組織変更に対して、幹部社員の反発は大
 きかった。専門知識を磨くことでポストや給料が
 上がっていたからだ。
・いざ組織を変えるとなると、理論を超えた課題が
 出てくる。その多くは人の問題だ。いかに社員の
 モチベーションを維持していくかに悩んだ。
・企業ブランドの大切さも学び、ロゴデザインを
 「KOMEHYO」に変更した。
・「業績を上げるだけでなく100年企業に向けた
 基盤をつくっていきたい」と石原社長は語る。

【変わったこと】
● チラシやCMに頼った販促から脱した。
● 顧客管理を科学的に行うようになった。
● 商品の付加価値が上がる仕組みを構築した。
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今は実務だけでも理論だけでも経営はうまくいかな
い事を知っている。
経営者としての「思想」を持ち、それに共感しても
らえなければネットワークが信頼関係に発展するこ
とはないことも学んだ。
いざ組織を変えるとなると、理論を超えた課題が出
てくる。その多くは人の問題だ。いかに社員のモチ
ベーションを維持していくかに悩んだ。
 
3人の経営者からの学びとして、私は上記3点が特
に印象に残りました。

大学院で学ぶ経営者が多いとは思いませんが、
しかし、そういう意欲と実行力を持った経営者は
ほぼ間違いなく実績を残しておられるのではないで
しょうか。

私は経営コンサルタントを名乗り、自身の得意分野
のコンサルティングを自信を持ってできるようにし
ています。
しかし、常に個人的に感じていることですが、実績
を残した経営者の話の方が、専門職の人の話より私
には常に面白い。
喋り方の下手さ、表現方法の拙さがあっても、実績
を残した経営者の話の方が常に面白い。
いつもそう感じてます。
基本的に私は少なくとも気持ちは事業家でありたい
価値ある経験を語れるようでありたい。
何事も「誰かの理論ばかりではなく、自分の実績を
基盤にした話もできる」ようでなければ人の心には
響かないのではないでしょうか。
このことは根本的に「業績と理念は相関する」とい
う稲盛和夫の経営哲学に通じると私は思います。
私はそう思っています。
 

福島さんは、ご自分の周りで大学院で学んで
いる経営者をご存知ですか。

そのような方がいらしたら、実績を上げていると思
われますか。

あるいは、周りにそういう方がいなくても、経営者
が大学院で学ぶことに付加価値を認められるでしょ
うか。
 
 
ご意見をお聞かせいただければ嬉しいです。
 

最後まで読んでいただきありがとうございます。
 

福島さんの幸運な日々を祈念します。
 
(追記)
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